軍艦島、桟橋復旧せず見学客に影響
「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産の1つとして、2013年9月2013日に世界文化遺産に推薦が決定した「軍艦島」こと長崎市端島。テレビ番組や映画、有名アーティストがロケで使うこともあって、知名度が上昇。旅客船による一部上陸を含めた見学ツアーが始まり、今や有名観光地として毎日、多くの人が訪れている。
しかし、同島への世界的な関心は高まる一方なのだが、管理者の行政(長崎市)では今一つピンと来ていないようだ。7月10日に九州へ上陸した台風8号の影響で、見学客が「軍艦島」に上陸する際に利用する「ドルフィン桟橋」の島との連結部分の手すりが損壊した。それにともない長崎市は、見学客の安全性を確保するため、翌11日に上陸を禁止する措置をとった。問題はその後、約2週間経った現在も、復旧のメドが経っていないという。
いつになるかわからないため、上陸見学をツアー内容に組もうとしている旅行代理店は頭を抱えている。上陸できない場合に利用料金を安くするなどの割引サービスを行っている業者もいるが、魅力減は否めず、見学客は減少。観光収入における損失が出ていることは間違いないはずなのだが、頼みの綱の行政(長崎市)の姿勢にはその自覚が感じられない。
「軍艦島」への一般の上陸見学が始まった2009年以後、台風などで「ドルフィン桟橋」が破損したのは過去3回はあったというが、その都度、修復作業を行う業者の選定から始めるため、復旧に時間がかかってきたという。「過去の教訓が何も生かされていない」と、現場の不満は強まっている。
【山下 康太】
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