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「朝鮮人強制連行」大阪にも偏向銘板 茨木市「歴史認識に誤り」撤去要請へ

産経新聞 7月25日(金)15時13分配信

 大阪府が戦後50年記念事業として旧軍施設跡に設置した銘板に「強制連行された朝鮮人が苛酷な労働に従事させられていました」との記載があり、茨木市が「歴史認識が誤っている」として、府に撤去を申し入れる方針を決めたことが25日、分かった。木本保平市長が近く、松井一郎府知事あてに撤去を要請する文書を提出する。

 問題の銘板は平成6年、戦争の悲惨さを次世代に伝えるなどとして、翌年の戦後50年事業の一環で企画。7年12月、大阪警備府軍需部安威(あい)倉庫跡地の茨木市桑原の道路脇に、府が約80万円かけて設置した。

 銘板には安威倉庫の規模や建設経緯のほか、「我(わ)が国は、先の戦争において多くの人命を失い、同時にアジア・太平洋地域の人々に大きな災禍と苦痛をもたらしたことを忘れてはなりません」と記載。「強制連行」された朝鮮人が過酷な労働に従事させられていたなどとしている。

 非合法的な拉致をイメージさせる「朝鮮人強制連行」は、戦前の日本の加害性を糾弾する言葉として使われるケースが多い。しかし、当時は同じ日本国民として労働が課せられた合法的な徴用(朝鮮半島では昭和19年9月から半年間)と混同されているほか、徴用以前に行われた労務動員の募集や出稼ぎなど自らの意思で来日した例も少なくなく、「強制連行」という言葉自体が偏向しているとの指摘もある。

 市関係者によると、市が作った当初の文案では「強制連行」に触れていなかったが、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のメンバーら数人から「もっと日本の加害に踏み込め」と抗議を受け、「強制連行」の文言が入ったという。

 府によると、「強制連行」と記載された銘板はほかに、生玉公園地下壕(ごう)跡(大阪市天王寺区)や大阪城公園(同市中央区)、タチソ地下壕跡(高槻市)の旧軍施設跡にある。いずれも戦後50年記念事業として、ほぼ同時期に設置された。

 銘板に疑問を抱いた市民団体「戦争資料の偏向展示を正す会」が平成21年夏、「強制連行の定義や根拠が不明」として、橋下徹府知事(当時)に対する質問状で銘板の文言変更か撤去を求めた。だが、府は戦後50年当時は過去の戦争や植民地支配を謝罪した『村山談話』があった▽教科書に一般用語として使われていた−などと拒否した。

 茨木市の木本市長は産経新聞の取材に対し「こんなひどいことが書かれているとは思いも寄らなかった。早急に外したい」と強調。一方、府人権局は「社会情勢などの変化や国で『強制連行』という用語の使い方が不適切だというのであれば記載内容を改める必要があるが、現時点ではその必要性は出てきていない」との見解。銘板の撤去を検討する予定はないが、茨木市から要請があれば「協議したい」としている。

 奈良県天理市内の旧大和海軍航空隊大和基地(通称・柳本飛行場)に設置された銘板にも「朝鮮人強制連行」の記載があり、市が4月、「根拠づける資料がない」として撤去している。

最終更新:7月25日(金)16時57分

産経新聞

 

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