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 ●あす開幕

 国指定重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」は26日から3日間、南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地を中心会場として開幕する。東京電力福島第一原発事故のあった2011年は極端な規模縮小を余儀なくされて危機に陥ったが、その後、着実に盛り返し、今夏の参加騎馬申請数は450騎と、震災前の2010年の実参加数480騎に迫る。行列などの参加予定人数は1049人で震災前年の1028人を超えている。

 26日は午前8時半に宇田郷の騎馬武者たちが相馬市の相馬中村神社に集まり、出陣式を行うのを始め、各郷の武者たちが御神輿(おみこし)を中心に行列を組み、雲雀ケ原祭場地に向けて繰り出す。

 27日の「本祭り」にはクライマックスの「神旗争奪戦」や「甲冑(かっちゅう)競馬」がある。出場する騎馬武者たちは先月から、雲雀ケ原や南相馬、相馬両市の海岸などで毎朝、調教と試走を繰り返してきた

 今夏は団体による観覧の事前申込者数も、18都県から94団体5114人と前年比751人増、震災前の10年の4800人を超えた。事務局では3日間の観光客数を昨年並みの16万6500人程度と予想。「参加人員、観客とも震災前の規模に復活するのは間違いない」と見ている。(本田雅和)