豊田おいでん祭り花火大会
(愛知県・豊田市)

花火どころ愛知でも花火の良さはピカイチ。メロディ花火を見逃すな!

開催日時  毎年7月最終日曜日
打上場所  矢作川河川敷  
問い合わせ先 豊田市観光協会

TEL 0565-35-4317
 豊田市の「おいでんまつり」の一環として祭り最終日に行われる花火大会。
 花火内容はきわめて良いと、近年花火愛好者の間でも評判が高い。地元の業者がとても実力があって良い花火を見せるのに加えて、長野県ほかから有力煙火店が打ち上げに参加しているほか、日本煙火芸術協会同人の秀作花火(5〜10号)が数多く出展されるからだ。割物花火ひとつをとってみても見応えのある玉がとりそろっており、割物玉を腰を据えて見ることができる花火大会ともいえる。こうした5〜10号単発玉を主体に数多くのスターマイン、会場幅いっぱいのナイアガラも展開。手筒花火やスターマインのコンクールもある。
 最大の目玉プログラムは終盤の「メロディ花火」だ。これはワイド展開のスターマインを音楽とシンクロさせながら打ち上げるというもの。曲目に合わせ様々な種類の花火を駆使し、間合いや打ち上げ順をコンピュータでコントロールしながら数分間に渡って華麗な花火叙事詩を演出している。Vトラ(斜めクロス打ち虎の尾・写真右)がとても効果的に使われていて、こうしたワイド演出の花火プログラムを見たことがない人の目にはとても新鮮に映るだろう。
 こうしたワイド展開の打ち上げとしては大曲の競技大会での「大会提供ワイドスターマイン」が有名だが、「メロディ花火」は地元愛知県の業者がこの大曲のワイドスターマインに感銘して考案したもの。似たような展開のようだが熟成が進んだメロディ花火は大曲のそれとは全く異なるエンターテイメントに成長した。前者が音曲に合わせて手動で電気点火しているのに比べ、メロディ花火はコンピュータによって音楽と花火が高度に融合して一体となったプログラムなのである。近年、音楽(BGM )を流しながら花火を打ち上げる、といったプログラムが各地で取り入れられているが、「メロディ花火」はそれらとはまったく別物だ。花火が音楽を奏で、あるいは音楽に合わせて踊るように見事にシンクロしたプログラムをぜひ一度体験してもらいたい。
 またメロディ花火後の芸術協会によるスターマインコンクール、ワイドスターマイン五色の花束、それに続くナイアガラ瀑布、という終盤の好プログラムは必見といえよう。
 会場中央の一部の招待席のほかは自由席なのであるが、例年、河川敷、土手上ともに何日も前からの場所取りが激しく、他地域からのぶらり観覧組には観覧場所を確保するのにひと苦労するかもしれない。当日いくら早い時間に到着してもほとんど無駄なので隙間を探していこう。花火打ち上げ場所にも近いので観覧するには迫力満点だ。撮影には後方の引きが不足しているため、至近距離からの広角ねらいを余儀なくされる。花火とともに写るものがあまりないので、観覧客を下方に入れたり、せっかくよい割物を打ち上げるのだから思い切って花火だけをねらってみてはどうだろう。メロディ花火にしても全景を両サイドから横位置で収めるには28ミリ程度の広角が最低必要となる。
 残念なのは地元以外の当日観覧組にとってはプログラムが手に入らないこと。これは地元新聞紙に折り込みで予め各家庭に配布してしまうために現地で配る必要がないからである。確実に入手するには市役所や観光協会などに予め送ってもらうよう手配するしかない。
 風向きに難があるのが常で、だいたい川に沿って下流側から吹く。したがって会場に向かって右手から左手前に吹き抜けることが多い。場所取りとしては会場中央の招待席エリアから右手側が良いだろう。また下流側の橋を渡って対岸(堤防上と河川敷は立入禁止)から見るという手もある。
 近年会場のど真ん中に新規に橋(豊田大橋)が建設されたため、打ち上げ会場が二分するような格好となっている。ナイアガラにしても以前は一連の滝だったが、橋を中心に二つに分けて掛けている。また5号以上の殆どの打ち上げを対岸の河川敷に移した。観覧席側では手筒や仕掛け、スターマインの一部、ナイアガラのみが行われる。メロディ花火も対岸に移り、橋を挟んで両脇各2個所計4〜5個所からの打ち上げとなる。これらワイド系が対岸に移ったため、以前は映画館の最前列で見ているような窮屈さがあったが、適度な間合いになり全体の展開が把握しやすくなった。
 電車利用の帰路だが、JRは名鉄にくらべて、名古屋、岡崎両方面とも本数が少ないので、時刻を良く確認しておこう。車産業の聖地のためか(自家用車組が多いせいか)電車はどうにもならないほど混むということはない。他府県からの観覧組にとっては宿泊の確保は豊田駅周辺でも比較的容易といえるだろう。これは観覧客の殆どが地元客というせいもあるかもしれない。

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