特養入所者:例外基準 認知症など要介護1、2の人でも

毎日新聞 2014年07月25日 07時15分(最終更新 07月25日 09時32分)

 厚生労働省は24日、2015年4月以降、特別養護老人ホーム(特養)の新規入所者を原則、介護保険の「要介護3」以上に限る方針の例外事項をまとめた。要介護3より軽度の要介護1、2の人でも、認知症などで自宅で暮らすことが難しい人などは入所を認める。ただし、特養の受け入れ判断に市町村が関与する仕組みを作り、特例が安易に広がることに歯止めをかける。

 介護施設の中でも、比較的料金が安い特養には多くの入所待ちが出ており、13年度は52万人に達した。高齢化が進むなか、整備が追いつく見通しは立っておらず、厚労省は6月に成立した地域医療・介護確保法で、新規入所者を中重度の「要介護3」以上に絞り込む方針を打ち出した。

 ただ、絞り込みはあくまでも原則であり、今回は要介護1や2でも特例で入所を認める事例をまとめた。▽日常生活に支障を来す認知症や知的障害・精神障害などにより、自宅での生活が困難▽家族などによる深刻な虐待で心身の安全安心の確保が困難▽単身世帯で家族や地域による支援が不十分−−の各要件にあてはまる人は特例の対象としている。

 現在、各施設は入所申込者の介護の必要性や家族状況を見て、入所の有無を判断している。新たな仕組みでは、施設に対し、事前に申込者の状況を市町村に報告することを義務づける。施設側から求められなくても市町村は意見書を作成するなどし、意見を表明できるようにする。【中島和哉】

最新写真特集