小手投げで琴奨菊を下す白鵬(上)=愛知県体育館で(畦地巧輝撮影)
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◇名古屋場所<12日目>
横綱白鵬(29)=宮城野=が大関琴奨菊(30)=佐渡ケ嶽=との1敗対決を小手投げで制し、再び単独首位に立った。3日連続の横綱撃破を狙った関脇豪栄道は日馬富士に上手投げで敗れ、3敗目。優勝からも、場所後の大関昇進からも大きく遠のいた。
白鵬は踏み込みよく右を差す。きつく締めた琴奨菊のまわしに指が入らなかったが、11日目の敗戦がここで生きた。
「きのう強引にいきましたんで、落ち着いて」と同じ過ちは繰り返さないのが横綱。琴奨菊が前に出ようとした瞬間に左からの小手投げで勝負をつけた。
大事な一番だった。勝てば再び単独トップになるが、負ければ今場所初めて一歩後退する。そんな勝負を落とさないところが、白鵬らしい。
朝稽古では土俵に入らなかった。しかし、四股とてっぽうの基本運動は欠かさなかった。中でも肝心なのが下半身。あらためて、その大切さを感じた。
「ヤンキースのマー君と、このあいだ優勝した松山英樹君。その下半身と足腰を見てると、自分と比べちゃうんだよね」
移籍1年目で12勝を挙げている田中将と、米男子ゴルフツアーのメモリアルトーナメントで米ツアー初優勝を飾った松山。「骨盤のでかさ、お尻のでかさ、安定感というか。変というのではなく、普通とは違う」。世界の舞台で活躍する2人の特徴が、自分にもあてはまっていると考えている。
日本人Vを目指して向かってきた琴奨菊との対戦成績は、これで40勝4敗となった。琴錦対安芸乃島(39勝9敗)を抜いて、幕内対戦別勝利数が単独1位に。「ここまで一場所一場所やってきた結果。(自分に)一度も勝てない力士もいますし。4回も勝ってる、と言っていいのかも」。揺るぎない自信をのぞかせた。 (岸本隆)
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