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 JR北海道の函館線八雲駅(北海道八雲町)で2012年2月にあった脱線事故にからみ、同社が脱線現場付近のレール点検数値を改ざんしていたことがわかった。事故直後、改ざんデータを受け取った運輸安全委員会が25日、調査報告書を公表した。JR北はこれまで270カ所での改ざんを公表していたが、この改ざんは未発表だった。

 報告書によると、同駅を出発直後の普通列車(1両編成)が、分岐器(ポイント)付近で固まった雪に乗り上げて脱線した。

 JR北は、改ざんした3カ月前のレールの定期点検の記録を運輸安全委に提出した。軌道のゆがみは整備基準値内と記載していたが、正しいデータを記録した帳簿は廃棄され、実際の数値はわからないという。

 昨年9月の函館線大沼駅での脱線事故後、一連の改ざんが発覚し、運輸安全委が八雲駅での記録の再確認を求めたところ、JR北は改ざんを認めた。広報部は改ざんについて「ご心配をお掛けしておわびする」としている。(工藤隆治)