注 目 MLB試合速報!   青木宣親1球速報!   欲しい!カップヌードル型チタンクッカー!

【ベネチア国際映画祭】塚本監督、構想20年「野火」勝負作で頂点を目指す

2014年7月25日6時5分  スポーツ報知

 世界3大映画祭の一つ、第71回ベネチア国際映画祭(8月27日~9月6日)の出品作が24日、発表された。最高賞の金獅子賞を争うコンペティション部門には、塚本晋也監督(54)の「野火」(来出品作発表年公開予定)が選出された。塚本監督のコンペ出品は5年ぶり。11年に先鋭的な映画を集めたオリゾンティ部門のグランプリを受賞しており、今作では“真の頂点”を目指す。また、加瀬亮(39)が主演の韓国映画「自由が丘8丁目」(ホン・サンス監督、12月公開)がオリゾンティ部門に決まった。

 1998年の「バレット・バレエ」以来、過去に送り込んだ作品は6本。97、05年には審査員も務めた“ベネチアの申し子”塚本監督が、5年ぶりのコンペで頂点を目指す。

 都内で取材に応じた塚本監督は「ベネチアのコンペに出したかったんです。今の時代だからこそ、この作品に注目してもらいたかった。どう感じてもらってもいいんですが、まずは一人でも多くの人に見てもらいたいので」と語気を強めた。

 原作は、作家の大岡昇平氏がフィリピンでの戦争体験を基に著した代表作。結核に侵され、数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵がフィリピンの原野で極度の飢餓状態に陥り、死んだ日本軍人の肉を食べるべきか、どうかを苦悩する物語。59年には市川崑監督が映画化しているが、「リメーク」ではなく、塚本監督が小説から受けた衝撃を映像化したもの。

 「最初に原作を読んだのが高校生の時。実際に自分が戦場にいるような、血のにおいが伝わってくるようなリアリティーを受けた。映画にしたいと考えるようになったのが20年ほど前でした」

 脚本を複数のプロデューサーに持ち込んだが、実現には至らず。しかし、「今、撮らないといけないという気持ちが、自然に出てきた」そうで、再び映画化に奔走。相変わらず出資集めに苦戦したが、2年前に死去した父の遺産などを製作費とし、ボランティアスタッフなどの力を借りて昨年6月から約半年、フィリピン、沖縄などで撮影した。

 主人公の田村は自らが演じ、老兵の安田にはリリー・フランキー(50)、途中で出会う伍長にはミュージシャンの中村達也(49)を選んだ。「リリーさんとは以前、『盲獣VS一寸法師』という映画で共演したことがあって、その時の仲良し感覚でお願いした。すばらしい芝居と存在感の持ち主ですね。中村さんは、『バレット―』に出てもらった縁。やり手の兵隊で、格好いい雰囲気を出してもらっています」

 現在、スケジュールを調整中だが、厳しい撮影を共にした“戦友”との現地入りを楽しみにしている。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
芸能
報知ブログ(最新更新分)一覧へ