注 目 MLB試合速報!   青木宣親1球速報!   欲しい!カップヌードル型チタンクッカー!

【陸上】桐生が「銅」世界大会100メートル日本人初表彰台

2014年7月25日6時0分  スポーツ報知

 ◆陸上 世界ジュニア選手権第2日(23日・米オレゴン州ユージン)

 男子100メートル決勝が行われ、日本歴代2位の10秒01の記録を持つ桐生祥秀(18)=東洋大=は、10秒34(向かい風0・6メートル)で3位に入った。日本選手が世界大会で男子100メートルのメダルを獲得するのは史上初。6月に右足底を負傷、調整不足だったが、満身創痍(そうい)の状態で偉業を遂げた。ケンドル・ウィリアムズが10秒21で優勝。世界ジュニア記録を持つトレイボン・ブロメル(ともに米国)は10秒28で2位だった。

 鈍く輝く胸のメダルは、思い焦がれた色とは違った。「うれしさもあり、悔しさもありという感じ」。桐生は3位には満足しなかった。だが、極限の状況をくぐり抜け、紛れもない快挙の100メートルでのメダル獲得。表彰台に立った18歳は、晴れ晴れとした顔だった。

 6月19日に右足底部関節炎と診断され、スパイクが約1か月履けなかった。出場予定の2大会を欠場。ギリギリの調整でこぎつけたが、体は悲鳴を上げていた。この日の準決勝も「後半は股関節が痛かった。帰りに歩くのもつらかった」と10秒38の1組4位。なんとかタイム順で決勝最後の8枠目に滑り込んだ。

 決勝前、「やるときはやるしかない」と開き直った。号砲と同時に、世界大会で初めて持ち前の弾丸スタートを披露した。60メートル過ぎまでトップ。だが、ここが限界だった。70メートル付近で両膝の裏側をつった。「あとはどれだけ減速しないでいけるか」。世界ジュニア記録保持者のブロメル、優勝のウィリアムズに抜かれたが、3位は確保。最後まで冷静でいられたのは、間違いなく成長だった。

 昨年7月のダイヤモンドリーグ、同8月の世界陸上はともに予選落ち。世界のトップの速さより、相手をねじ伏せる強さに憧れた。今回、ライバルと目したブロメルの後じんは拝したが、アクシデントをはね返す強さを見せた。「世界ともっと勝負したい。こういう経験をどんどんしていきたい」。一歩ずつ前に進んでいる実感がある。

 東京五輪開幕まで、6年を切った。「あと6年しかないが、6年もある。9秒台はいつかは出る。9秒台は通過点にしたい」。同世代との死闘を終え、“壁”の先がはっきり見えた。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
その他
報知ブログ(最新更新分)一覧へ