2014年7月25日(金)

「キャベツテンパリング」でルウカレーが大変身

dancyu 2012年8月号

文・上島寿子 撮影・石井雄司 教える人:小野員裕(カレー研究家、横濱カレーミュージアム初代名誉館長)
インドの野菜炒め、ポリヤルにも似たキャベツテンパリングは、鮮烈なスパイス感を楽しむための秘策。食べるときによく混ぜて一体化させるといい。キャベツは煮込まないので、歯ざわりと甘味がソースで開花する。

そのまま素直につくってもおいしくできるルウカレーだが、「もっと自分好みにしたい」と思うのもまた事実だ。実際、dancyu読者からも「よりスパイシーにしたい!」「もっとコクを出したい!」という声が上がっている。

そんな中、これらを叶える裏技があるとの噂が。真偽のカギを握るのは、カレー研究家の小野員裕さん。まず「スパイシーに」という欲望に、繰り出されたのはキャベツテンパリングなる裏技だ。

「テンパリングとは、スパイスの香りを移した油を仕上げに加える技。でも、油を足すのは罪悪感もあるだろうから、キャベツを一緒に炒める。これをカレーに混ぜれば、ぐっとスパイシーになるよ」

おぉ、確かに。香りが立って、辛さも鮮烈だ。噂は見事ヒット!

今回の“裏技”はカレーの完成後に加える応用性が高いもの。ベースにするカレーは市販のルウカレーでも、自慢のレシピでつくったカレーでもOKだ。

【材料(カレー5皿分)】
キャベツ……1/3個、生の青唐辛子(鷹の爪でも可)……2~3本
クミンシード(ホール)……小さじ1弱、ターメリック(パウダー)……小さじ1/2、チリペッパー(パウダー)……小さじ1
※ホールスパイス、パウダースパイスは好みのものを使っても可。
バター……大さじ1/2、塩……少々、サラダ油……大さじ2

【つくり方】
(1)キャベツは2cm角ほどのざく切りにする。青唐辛子は斜めせん切りにする。
(2)フライパンにサラダ油とクミンシードを入れ、弱火にかける(ホールスパイスは最初から入れる)。クミンシードがパチパチと爆ぜてきたら、(1)のキャベツと青唐辛子を入れて軽く炒める。
(3)全体に油が回ったら、ターメリックとチリペッパーを入れて混ぜる。
(4)蓋をして1分ほど蒸し焼きに。キャベツがしんなりしたら蓋を取り、中火で水気をとばすように炒める。塩とバターで味を調え、カレーに盛りつける。

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上島 寿子