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【愛媛】安楽号泣!夢途絶えた3回戦敗退短かった夏

2014年7月25日6時0分  スポーツ報知
  • 敗戦後、ベンチで選手たちと握手を交わす上甲監督(右端)の横で、号泣する済美・安楽(右から2人目=カメラ・津高 良和)

 ◆第96回高校野球選手権愛媛大会 ▽3回戦 済美1―4東温(24日・坊っちゃんスタジアム)

 怪物の夏が早くも終わってしまった。今秋ドラフトの超目玉、済美(愛媛)の安楽智大投手(3年)は、東温戦で11三振を奪いながらも5安打4失点。味方の反撃も1点で終わり、最速157キロ右腕は3回戦で涙をのんだ。大阪では、PL学園がエース右腕の渋谷勇将(3年)が、早稲田摂陵を9回3安打完封し、16強進出。また、6大会で代表校が決定した。

 安楽が泣いた。人目もはばからず泣いた。敗戦が決まったあとのベンチでの済美のミーティング。上甲正典監督(67)から「プレッシャーで大変だったろう。肘も痛いのによく投げた」と、握手を求められると怪物右腕の目から大粒の涙がこぼれた。ミーティング終了後、1人残って「すいませんでした!」と下げた頭をなでられると、再び声を上げて泣いた。

 昨年の好調期を思わせる内容だった。先頭打者からスライダー、直球がバシバシ決まり4者連続三振のスタート。4回までは無安打と東温打線を完璧に抑えた。だが、球威が落ち始めた5回、先頭打者に許した初安打をきっかけにスクイズで失点。6回2死三塁では、昨秋の右肘故障後、最速タイとなる148キロの直球を痛打された。

 「自分の甘さが最後に出た」。9回にも3安打され2失点。だが、高校生活最後となった打者を「代名詞」である三振で仕留め、高校通算三振数を306とするなど、最後は剛腕らしくマウンドに別れを告げた。

 昨秋県大会1回戦で右肘を痛め、9月23日に「尺骨神経まひ」と診断された。「軽くてよかった。頑張ります」。強気に振る舞ったが、3か月たった正月恒例の父・晃一さん(53)とのキャッチボールは、わずか2球でストップ。「自分から止めるなんて…」と、晃一さんが漏らすほど回復は遅れた。

 それでも主将として、エースとして、夏のマウンドに戻ってきた。「監督さんでなければ、157キロも出ていなかった。投げすぎの声もあったが、そうは思わない。一番体も気にしてくれたし、後悔はない」。二人三脚で歩んできた2年4か月が終わった。今後について「何も考えられない」と話したが、2人の夢であるプロの世界が、安楽には待っている。(花住 宏一)

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