野兎病とプレーリードック
突然、「野兎病(やとびょう)」という名前が、マスコミをにぎわした。

「野兎病」は、大学の微生物学や伝染病学以来、久しぶりに聞いた名前であった。

 何故、突然この病名が出てきたかというと、アメリカのテキサス州の動物流通施設において、野兎病が発生し、その施設からプレーリードックが日本へ輸出したことが判明したためである。

 厚生労働省の情報によると、日本に約260頭輸出されたようである。

野兎病は、Francisella tularensis という細菌によって起こる病気である。日本では、野兎に接触する人に感染例を初めて観察したため、この名前が付いたそうである。実際の感染経路は、接触感染、節足動物媒介、汚染水系、汚染塵埃の吸引によって感染する。

この病気は、日本でも以前から存在している病気であり、特段めずらしい感染症ではない。

気になる方は、下記のサイトを参照されたし。

http://www.med.or.jp/kansen/guide/yato.pdf  (日本医師会)

http://www.cdc.gov/od/oc/media/pressrel/r020806.htm  (米国CDCのプレリリース)

http://www.customs.go.jp/news/kaisei/hinmoku.j/reikitsutatsuminaoshi_newold1.pdf (一般情報)

 プレーリードックが、野兎病に感染すると、急激に発症して死亡することが報告されていることから、現在健康なプレーリードックについては、特段の心配はないと考えられる。