復興予算:25兆円枠突破 来年度概算要求 福島帰還支援

毎日新聞 2014年07月25日 07時10分

 復興庁は24日、東日本大震災の「集中復興期間」の最終年度となる2015年度予算について、総額25兆円の予算枠を上回る事業費を概算要求に計上する方針を固めた。復興の遅れを克服するため、一層の予算確保が必要と判断した。重点課題として「福島の再生」を盛り込み、東京電力福島第1原発事故で避難した住民の早期帰還や新生活の支援に手厚く予算配分する方針だ。

 政府は当初、11年度から5年間の復興予算を19兆円に設定していたが、安倍内閣は25兆円に上積みし、被災地への復興交付金の配分などを行ってきた。14年度の復興予算は3.6兆円。すでに4年間で約23兆円を消化したことになる。

 従来の予算枠を踏まえれば、15年度は2兆円程度しか確保できなくなる。被災県では復興事業が来年度以降も続くため、期間延長と予算枠拡大を求める声が上がっており、根本匠復興相も11日の記者会見で、「更に財源確保の必要が生じれば来年度予算で対応したい」と語っていた。

 復興庁の要求方針では、福島県内で避難指示が解除された区域への住民の早期帰還や、移住者の新たな生活再建の支援に取り組む方針を初めて明記。被災地の経済復興の取り組みを支援する「先導モデル事業」を他地域に広げる予算の確保も盛り込む。【田中裕之】

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