<新日G1(23日)○棚橋vsギャローズ●>新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」23日の青森大会Aブロック公式戦で、棚橋弘至(37)が“メリーランドの殺人鬼”ドク・ギャローズ(30)を破り開幕2連勝を飾った。7年ぶりVに向け絶好調の棚橋は開幕戦で中邑真輔(34)を撃破した柴田勝頼(34)との公式戦(26日、秋田)に向け怪気炎。試合後のパフォーマンスも含め、柴田に新日プロ10年の進化を見せつけるつもりだ。
青森の地で殺人鬼を迎えた棚橋は序盤からラフかつパワフルな攻撃に苦しめられた。それでもスリングブレイドで反撃に転じると、最後はハイフライフローを2連発。メーンの一戦を「愛してま~す」で締めくくった。
これで連勝発進と絶好調の棚橋だが、その一方では普段なら全く気にしない他の公式戦にも心揺さぶられていた。
21日、札幌大会の開幕戦ではかつて自身も含めて並び称された「新・闘魂三銃士」の中邑と柴田が激突。柴田に軍配が上がったが、棚橋は「中邑が負けるとは思ってなかったというか、願望に近かった。新日本にずっといた側なんで」と衝撃を受けたという。
棚橋にとって中邑は終生のライバルだが、その対戦相手が2005年に新日プロを退団した柴田となれば話は別。本来の敵対関係を超えて、ともに柴田退団後10年間の新日プロをけん引し、支えてきた自負もある。
“出戻り”の人間に2大エースが揃って屈するわけにはいかない。秋田での柴田戦は、中邑の敵討ちとまではいかずとも、ますます負けられない戦いとなった。
前半戦の大一番に向け棚橋は「10年前になかった新日本を食らえと。ハッキリと違った新日本を見せてやる。『愛してま~す』とエアギターももれなくどうぞ」と予告する。チャラいとやゆされながらも信念で浸透させた試合後のパフォーマンスも含め、当時からは想像もつかなかった姿へと新日プロを変えていったのが棚橋。団体としての進化、成長を知らしめるため、そして7年ぶりのG1制覇のため、棚橋は柴田戦必勝を誓った。