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被災地 抑うつ・DV…悩み複雑化

 東日本大震災後、内閣府が岩手、宮城、福島の3県の女性を対象に続けている悩み・暴力相談に、2013年度は4837件の相談があった。前年度より736件減ったものの、震災から2年以上たっても依然として月400件前後の相談があり、悩みの内容も複雑化していることがうかがわれた。

 内閣府男女共同参画局のまとめによると、県別の相談件数は、宮城が最多で1769件、福島1692件、岩手1376件だった。このうち3県で274件が、男性からの相談だった。相談内容の主な内訳はグラフの通り(複数回答)。不安、抑うつ、心的外傷後ストレス障害などの「心理的問題」が2317件と最多で、孤独・孤立など「生き方」が2002件、「家族問題」が1401件と続いた。
 配偶者からのドメスティックバイオレンス(DV)相談は593件。「精神的攻撃」が284件で、「身体的暴行と精神的攻撃」が221件、「身体的暴行のみ」が45件あった。DV以外の暴力相談は54件。「交際相手からの暴力」が21件、「強姦(ごうかん)・強制わいせつ」が20件、「売買春・ストーカー」が3件だった。
 被災状況別に相談内容の主な訴えを見ると、「地震・津波」「放射能」「自宅全壊・半壊」の被害を受けた人は家族問題が最多で、心理的問題が続いた。放射能被害では夫婦問題、DVに関する訴えも多く、特に福島県でその傾向が強かった。「県外避難」では心理的問題、生き方が多く、「仮設住宅入居」では対人関係の悩みが目立った。
 内閣府は被災3県、地元の民間団体と協力し、11年から女性の悩み・暴力集中相談事業を続けている。本年度も予約制の面接・訪問相談と電話相談を行っている。

◎3県の主な相談受付先

【岩手県】女性の心のケアホットライン・いわて(0120)240261=県内限定フリーコール
【宮城県】みやぎ男女共同参画相談室
022(211)2570
【福島県】女性のための電話相談ふくしま(0120)207440=全国フリーコール


2014年07月25日金曜日

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