Updated: Tokyo  2014/07/25 13:00  |  New York  2014/07/25 00:00  |  London  2014/07/25 05:00
 

KLab:ゲーム事業、中国で展開加速-営業益貢献5割目指す

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  7月25日(ブルームバーグ):スマートフォン(スマホ)向けゲームを提供するKLab (クラブ)は、2016年までにゲーム事業で海外部門の営業利益貢献度を50%以上に引き上げる方針だ。中国など海外展開を加速させることで実現を目指す。

真田哲弥社長が23日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。真田社長は中国のスマホゲーム市場が順調に拡大すれば、同社の海外事業の実質的な営業利益貢献度が「16年には50%を超える」との見通しを示した。また、4-6月期の業績については、5月に発表した業績予想は保守的で、売り上げ実績が予想の45億円を上回る可能性があることを示した。

スマートフォンの世界的な普及に伴い、ゲームソフトメーカーは海外展開を加速しており、同社も米国やシンガポール、中国、フィリピンに拠点を持つ。堀江悦子IR担当によると、「営業利益ベースでの貢献度は1-3月期で約3%だ」という。今後、世界規模での収益拡大を目指す。

同社は13年12月期に新作ゲームの不振などで26億円の赤字を計上。14年1-3月期は費用削減やスマホ向けゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」が好調だったことで5100万円の黒字を確保した。5月に発表された決算資料によると、4-6月期は9000万円の黒字の見込み。

「ラブライブ!」はアニメの女性キャラクターが登場する音楽ゲーム。13年4月に配信を開始し、14年5月に300万ユーザーを突破した。英語版に加え、6月に中国語や韓国語版の提供を開始した。ゲームの配信に関し、中国ではシャンダ・ゲームズ 、韓国ではNHNエンターテインメントと提携している。

中国市場を重視

同社は海外展開で中国市場を重視しており、真田社長は中国市場が「いまの2倍以上に拡大する可能性」が十分あり、日本や米国を超えることもあり得ると見ている。同社は昨年11月、中国のインターネットソフトウェア企業のチーフーサンロクマルとの資本提携を発表した。

真田社長は、市場規模としてスマホゲームが確実に据え置き型ゲーム機を抜くとの考えを示し、収益を着実に上げることで同社が「任天堂を抜くことは十分あり得る」と述べた。

立花証券の林健太郎アナリストは、アジアで日本の漫画キャラクターが人気になっているように、「ラブライブ!」はアジア市場で「面白い存在になり得る」と指摘。中国市場については、政策リスクや現地企業との収益配分問題などが起きる可能性があると述べた。

ゲームメーカーの海外進出をめぐっては、カプコンが22日、中国などでオンラインゲームを配信すると発表。スクウェア・エニックス・ホールディングスの松田洋祐社長は6月のインタビューで複数の中国企業と提携交渉していると明らかにした。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 天野高志 tamano6@bloomberg.net;東京 黄恂恂 xhuang66@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Michael Tighe mtighe4@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net中川寛之, 淡路毅

更新日時: 2014/07/25 09:58 JST

 
 
 
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