裁量なんかに任せると、とんでもない国家になる・・ハイエク 日銀白川元総裁

<裁量なんかに任せると、とんでもない国家になる・・ハイエク 日銀白川元総裁>

 白川総裁、民主党が参院で過半数をとった時に、選ばれました。当時は、武藤(緩和派)の総裁就任も選択肢に上がっていたのですが、民主党は、武藤が財務次官経験者なので、「天下りだからダメ」という論理で、人事同意せず、結果として「日銀出身」の白川副総裁が繰り上がったのです。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-423.html

2008年、日銀総裁を決める際に、国会で民主党によって、不同意にされた人物の1人は、①東大教授 伊藤隆敏(ウイキペディア:最近は、インフレターゲットの提唱者として知られ、日本銀行の金融政策に批判的な論陣を張っている)です。

 もう1人は、当時日銀副総裁ながら、ゼロ金利解除に、ただ1人反対した②武藤敏郎です。民主党が反対した理由は、「財務次官経験者という、官僚OB」だったからです。



 日銀総裁には、「国会同意」が必要で、民主党は参院で、過半数を取っていたので、「自分たちの意見を通せる」状態だったのです。

 その後に続く民主党政権の迷走は、ここに端的に示されています。その理由(行動原則)が、「天下りだからダメ」という、裁量(その時々で、用いられる、旨先三寸の話)だからです。

 「天下りだからダメ」「天下り廃止」は、構いません。但し、「ルール」として明瞭であれば。

 しかし、民主党のやったことは、ルールではなく、「民主党政権が支持されたから、その時だけ民主党政権では裁量でそれを行うという」という、原理原則でもなんでもなく、最悪でも将来的にそのルールが担保されるのでもなく、結果的に最初の勢いだけで、採用されたものです。

民主党政権下でも、天下りが容認される結果になった単なる「裁量」だから、ダメなのです。

 裁量とは、その時々の為政者(政治・行政)の判断で、ころころ変わる決定権を、為政者に与えると言うことです。

 これをされたら、民間は、どう対処してよいか、全く分かりません。合理的行動が取れなくなってしまうからです。

 行政に強大な「裁量権」を与える・・・許可でも認可でも、行政の胸先三寸・・・これが一番たちが悪いものです。予想が立てられず、民間はその時々で、「右往左往」するしかないからです。

現状、日本は、この行政・政治の裁量権がものすごく強いです。ですから、民間は「合理的」に行動して、行政・政治に擦り寄ります。情報を得、「こうなるよ」という方向に基準を合わせます。

しかし、その情報を得る為に、莫大な時間とエネルギーとコストをかけます。だから、「癒着」になるのです。

だから、ハイエクが、「裁量ではなく、ルール」をと言ったのです。行政や、政治に裁量権を与えると、ろくでもないことになるからです。「道徳の押し付け」さえ、起こります。(ナチス・ドイツ)

それで、ハイエクは、裁量権を与えると、「国家に隷従する」ことになる、「国家が道徳まで押し付ける」と言って、全体主義を徹底批判したのです。

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(2008/12/25)
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自治体の存続 人口減で厳しく

・・・日本創生会議の人口減少問題検討分科会…人口減を食い止めるため…企業ごとに社員の出生率を公表させて家庭との両立を促すべきだとした。



お、恐ろしい・・・

裁量は、「官僚は優秀」「優秀な人に任せておけば安心」と言う思想です。

ハイエクは、人間の合理性には限界があり、だから、信用できない、だから、無数の人々による「市場」に任せろと言ったのです。「優秀?なるものにゆだねるとダメ」だからです。

それゆえ、裁量に任せる、ケインジアン・・・その時々で適切に対処する「裁量」を批判したのです。

また、ルーカスらの「合理的期待(予想)形成」にも、立場の違いを明確にします。なぜなら、人間の理性には限界があり、「合理的だ・・何度何度も経験を重ねると、もっと合理的だ」など、チャンチャラおかしいとしたからです。

それで、ちょっとずつ、あらゆる分野で少し合理的(一般庶民は、みな、少し知っている部分ありますよね、ゲームでも、情報世界でも、音楽でも、ダンスでも、動物でも、医学でも、法律でも、経済学でも・・ちょっとは他の人より知っている・・でも、それはちょっとの差)ですよね。

 絶対者「神」を前にしたら、「学問的に優秀だと威張る」ことなど、アリが、人間の足元で、「俺の触覚は、お前より0.00000000000001ミリ長い!」と威張っているようなものです。

だから、その「ちょっとずつ知っている人が無数で形成する市場」を信頼するしかないとしたのが、ハイエクです。

では、「政治・行政」に求められるのは何か。それが裁量ではなく「ルール」なのです。行政や・政治も従わざるを得ない、ルール・・・これが明確化されているから、民間が「ちょっとの合理性」を使って、未来を予測して、行動できる・・・これが一番合理的、時間的ロスも、コスト的ロスも、エネルギー的ロスも使わなくてすむからです。

だから、「市場に任せろ」ではなく、行政・政治の必要性も十分にあり、それらがやることは、「ルール」を市場に対して明確化しろというものです。

「市場原理主義」ではなく、「行政・政治」の役割を、ものすごく重視した「市場活用」派なのです。

 人間の理性なるものを、全く信用していない、ハイエクだから、ちょっとした理性を最大限に活用して「ルール」を作れ・・・これがハイエクの思想なのです。

 だから、その時々の「裁量」、「裁量権を与える」「裁量権を大きくする」などを、徹底的に排除したのです。

 ケインズ・・「官僚は優秀」「経済なんか、官僚に、任せろ」を、ハイエクは、徹底的にたたいたのです。

 ケインズ、この人、白人市場主義者、官僚(国家裁量)絶対主義者ですからね。黄色・黒色人種差別者ですからね。

 今いたら、鼻持ちならないほどの、「東大法学部至上主義者」「イギリスのエリート主義者」です。

 宮沢元総理、典型でしたよね。「俺は優秀(東大法学部卒の元官僚だから!ドヤ顔)」、記者に向かって、「君、どこの大学出身?」ときいて、「早稲田」と答えようものなら、その後2度と質問に答えなかった、「東大法学部至上主義者」ですからね。

 英字新聞を毎日読み、「憲法論争するなら、君ら(マスコミレベル)と徹底的にやってもいいよ(負けないからね)」と言った、鼻持ちならない・・少なくとも私は付き合いたくない・(笑)・・の人ですから。

 裁量にまかせると、どうなるか、ハイエクは、「道徳まで押し付けられる国家になる」と言っています。

クリック

なぜベーシックインカムは賛否両論を巻き起こすのか――「転換X」にのっとる政策その1 - 松尾匡

生活保護制度など、裁量による弊害の最たるものです。

 今年、4月、埼玉県で、担任教師が、自分の子供の高校入学式に出席するため、入学式を欠席して、埼玉県議や、埼玉教育長に、批判されましたよね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140411-00010005-saitama-l11

 関根郁夫県教育長は11日に開いた県立高校の校長会で「担任がいないことに気付いた新入生や保護者から心配、不安の声が上がった」と、この事実を報告した上で「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。

県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」としている。



 これがハイエクの「道徳まで押し付ける国家」なのです。この事例、「ルール」には何も逸脱していません。それを、行政が「裁量」で批判する・・・ハイエクに言わせると「最悪」な話です。これで処分など下せるようになったら、もっと最悪です。

 この女性教諭の子、難病の障碍者ですよ。だから、子供の入学式に出席したんですよ・・・

 ほら、この事実を聞くと、あなたの判断、ぐらぐらゆらぐでしょう?

 じゃあ、子供の入学式を、担任としての入学式より優先させる基準は???それぞれ、判断基準が異なるでしょう?そんな、一人ひとり異なる、その時々によって異なる判断基準に任せる・・これがハイエクが「ダメだ」とした「裁量にゆだねる」ことなのです。

下に続く































この教諭の子、難病の障碍者ですよ。だから、子供の入学式に出席したんですよ・・・
 ↓
 これは、事実ではなく、私が作ったフィクションです。でも、その「想定」だと、間違いなく判断基準が動くでしょう?

 母子家庭だ、小学生だ、いつまで生きられるか分からない難病だ、サポートの必要な障碍者だ・・・これで、あなたの判断基準、ぐらぐらするでしょう? 

 ルールではなく、裁量にゆだねる・・・人間のあやふやな判断にゆだねることなのです。

 しかも、県議会議員や、教育長や、教育局・・行政や政治の上の方にいる人たちが、自分の「裁量」を押し付ける、立場を利用した、上から目線・・・ハイエクに言わせると最悪です。もっとも、「処分裁量」までなかったので、かろうじて「最・最・最悪事態!」にはならなかったのですが・・・


民主党政権は、「天下りはダメ」という、恣意的な裁量で、物事を決定したのです。それは、「ルール化されたもの」だったことはありませんし、少なくともその時以降、「ルール化」させようと、現実にそうなったものでも、ありません。

「雲散霧消」した「裁量」、民主党人気あった時代の「初期」の判断「裁量」だったに過ぎないのです。このように、「裁量」で総裁になったのが、「白川元総裁」です。

日銀審議委員・・・これも、ハイエクに言わせると、「最悪」です。「裁量」だからです。「女性を入れておこう」「民間エコノミストも入れておこう」「バランス考えよう」・・・「財務次官と、日銀出身者を交互に総裁にしよう」・・・全部裁量です。ルールなどないのです。

ECBも、FRBも、みな「経済学者(博士、最低でも修士)」です。イエレン、バーナンキ、英国銀行総裁(元カナダ総裁)も、インド総裁ラジャン・・・バリバリの学者です。それが「ルール」です。

今回の「黒田総裁」をめぐって、当時みんなの党「江田憲司」が、「経済学者(博士、最低でも修士)」が最低条件だ!と言ったことは正しいんです。

但し、それがもともとの「ルール」だったら、あるいは、今後は必ずそうするという「ルール」前提だったらの話です。

唐突に「経済学者(博士、最低でも修士)」が最低条件だ!」と言い、一歩も譲らない、そして、その後もルール化する話を一切しない・・・その時の判断「裁量」でこんなことを持ち出すから、ハイエクが批判する「裁量」そのものなのです。

「経済学者(博士、最低でも修士)が最低条件だ!」という、ルールを、今作っておく・・今後そのルールに沿って日銀審議委員を採用していく・・・これが、ハイエクの主張する「ルール」なのです。「政府・官僚」の役割は、「ルール」作りにあるというものです。

 さて、白川元総裁、フリードマンの弟子ですが、やっぱり、「古い経済学思考」で止まっていました。

 本当に、民主党政権下の3年半、経済政策は、最悪でした。時間を返せ!と言いたくなるほど・・・

 「デフレ宣言」をしました。しただけです。対策ゼロでした。

 「家が燃えています、火事です」「対策はしません」でした。

http://www.twitlonger.com/show/k303b2

浜田宏一教授からの安倍総裁へのレターを全文掲載しておきます。

 日銀法改正以来、日本経済が世界諸国のほぼテールエンドの足跡を示していることから、そこでの金融政策が不十分であったことは明らかです。日本経済の望ましくない症状として、デフレ、円高という貨幣的な症状が出ているのですから、それに対するのは金融拡張が当たり前の処方箋です。

 野田首相は、金融に訴えるのは世界の非常識といわれますが、
<Wall Street Journal>金融に訴えないという議論こそ、現在の世界の経済学から見れば非常識です。
野田首相は、地動説の世界で天動説<日銀流金融理論>を信奉しているようなものです。このことは、最近私がマンキュー、ハバード、ノードハウスなど超一流学者とインタビューして確認しました。

 政策手段としてはインフレ目標が望ましいと思います。IMFのチーフ・エコノミストのブランシャール<ブランシャード>も4%まではいいといっているようなので、これだけ長いデフレが続いて、人々のデフレ期待が定着している日本経済に活を入れるのは、安倍総裁の2~3%がまさに適当といえると思います。
また、インフレ目標は、金融緩和が行過ぎてインフレが始まりそうになるのを防ぐという、インフレから国民経済を保護する機能を持っています。

 デフレ脱却のためには、日銀の国債引き受けでもいいですが、それが強すぎるというのなら、総裁のおっしゃったように日銀が国債を大規模に買い入れればよいのです。ただ、ゼロ金利に近い現状では、買い入れ対象が短期国債では効きません。長期国債、社債、株式の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも、このような考え方に基づいています。

 日本経済の高度成長期には一桁、5%未満のインフレが通常でした。2度の石油危機の時には二桁のインフレになったこともありましたが、それを日銀は見事に克服しました。言い換えれば日本経済の奇跡的成長は緩やかなインフレと共存していたのです。そして日銀はインフレが昂進しそうになればいつでも制御した実績があります。このような歴史から見れば、デフレを克服するとハイパーインフレになるというのは非現実的な脅しに過ぎないのです。

ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです。



http://toyokeizai.net/articles/-/11808

安倍自民党総裁の金融政策を全否定

白川日銀総裁会見 2012年11月20日

9月、10月と2カ月連続の金融緩和を決めた後、景気の減速がさらに強まるような状況ではなかったため、11月20日の金融政策決定会合で、金融政策が現状維持と決まったのは予想通り。むしろ、市場が注目していたのは、衆議院解散後、自民党の安倍晋三総裁が発している日銀への過激な”注文”に、白川方明日銀総裁がどのような見解を示すのか、だった。

結論からいえば、白川総裁は「あくまで一般論」と繰り返しつつ、ことごとく否定的だった。

安倍総裁は講演で、2~3%のインフレ目標を設定し無制限に金融緩和を行うべきとの考え方を示したことが報じられている。一方、日銀が2月に設定した事実上のインフレ目標は「当面1%」。「今の日本経済で物価目標を3%にすることが現実的と考えるか」との質問に白川総裁は、バブル期の1980年代後半でも物価上昇率が平均1.3%だったことを挙げ、「(3%は)現実的ではない」と答えた。

「国民が望んでいるデフレ脱却は単に物価だけが上昇する事態ではなく、企業収益や雇用、賃金増加を伴って経済全体が回復し、その結果、物価がゆるやかに上昇していく状態だと思う」(白川総裁)と説明。かねて白川総裁は、政策目標の追求には「最適なスピードがある」と話しており、インフレ目標3%の設定はそれに沿わないということだろう。

ほかにも安倍総裁は、民間金融機関が日銀に保有する当座預金に対してつけられる金利(現状は0.1%)をゼロないしマイナス(日銀に預けるとコストが発生する状態)にし、当座預金に滞留するおカネが実体経済へ出るようにすべきとの考えを示している。これに対し白川総裁は「4つの論点が指摘されることが多い」と説明した。

①金利をゼロにすると、(短期金融市場での取引のインセンティブが低下し)市場参加者がいざというときに資金調達ができるという安心感がなくなる。

②額面が保証されてマイナス金利のつかない銀行券へ大規模な資金シフトが生じる。

③マイナス金利のコストを民間銀行が貸し出し金利に上乗せすると、結果的に金融環境が引き締まることになる。

中央銀行のオペレーションに応じて資金調達するとコストがかかるので、民間銀行がオペに応じなくなる

というもので、弊害が多いことを強調している。

12月は米FRB→総選挙→日銀の政策会合

安倍総裁は「金融政策については日銀法改正も視野に入れる。大胆な金融緩和を行っていく」と話しているが、今のところ、具体的にどのような変更をするのかは不明だ。法改正議論について白川総裁は、「中央銀行の独立性は長い経験の中で培われたもの。あくまで一般論として、独立性というものをぜひとも尊重してほしい」とし、「仮に、日銀法のような経済、金融の基本法について改正議論を行うのであれば、十分に時間をかけて慎重な検討を行う必要がある」と述べた。
また、「(大胆な金融緩和を)やってもみないでどうなのかという議論がある」との問いに対しては、白川総裁は「やってもみないでという言葉を使われたが、日銀はまさに、やってきている」といくぶん語気を強める場面も見られた。

政策金利がゼロに到達し、政策金利を引き下げて金融緩和を図るというオーソドックスな手法を失った今、何とかひねり出している金融緩和策は複雑化するばかり。実際、「ごく普通の人からすると、金融政策の細かい技術的なことは理解しにくいというのが現実」と、白川総裁も認めるところだ。

金融緩和を行っているにもかかわらず、企業の借り入れは増えず、超低金利でも家計の預貯金残高が膨らんでいる。おカネが実体経済へ出ていかない。日銀は金融面だけでなく、「成長力の強化」が重要だとかねて強調しているが、複雑な金融緩和の効果について広く理解を得ることが難しい状況でもある。

次回、日銀の金融政策決定会合は12月19、20日。その前週の11、12日には米FRB(連邦準備制度理事会)がある。FRBは12月末で現行のツイストオペ(短期債売却と同額の長期債を買い入れ)が期限切れを迎えるため、翌年1月29、30日の理事会を待たずして、長期債の買い入れ継続を決めるとの見方が強い。そして米FRBと日銀の決定会合の間、16日には総選挙だ。

米国の緩和継続と足並みを合わせ、新政権の”期待”に応える形で追加緩和を行うのか。「積極的、大胆な政策がいいか悪いかではなく、あくまで期待される効果と副作用を比較考慮して政策を追求する」(白川総裁)わけだが、外部環境次第では次回の金融政策決定会合は難しい判断を迫られそうだ。



できない理屈を考える、説明する、まさに「官僚思想」そのものでしょう?

民間で信用されるのは、「できるようにしようとしてみる」「できることを考える」「できることに最善を尽くす、でもできなかったら、仕方がないとあきらめてもらう」です。

↓「高校生からの・・・」の範疇を超えます

合理的期待(予想)形成説
ルーカスが提唱したもので、ここを境にマクロ経済学は、「ルーカス以前と以後」に分かれます。

政策発表、期待《予想)で、人間は、「現在の行動」を変えます。

株、金利、住宅ローンを見据えてのマンション購入、企業の価格設定・・・

経済行動は、期待(予想)に基づいて決定すると言っても、過言ではありません。

この期待(予想)をモデルに組み入れる・・・これが、現在の経済学の標準的モデルです。大学院生レベルでは、こればかりやっています。この期待(予想)を、過去や現在のデータ(変数)で示し、将来変数を現在・過去の変数と同じと仮定すると、「合理的期待(予想)」と表現します。

金融政策で採用されている「テイラールール」も、この「期待(予想)をモデルに組み入れる」から成り立っています。

名目金利=実質金利+インフレ率(予想物価上昇率)

期待(予想)なしに、現代の経済学は、語れません。これが、ルーカス以後の常識です。

「予想を基に、現在の行動を変える。」

リフレーション政策です。「金融緩和→カネの価値下がる→インフレになる」

だから、デフレも、期待(予想)により、自己実現します。

来年デフレになりそうだ→投資より現金・借金返済だ→企業は投資を止めて、現金を積み立て(銀行は投資先がなく国債購入するしかない)、家計は、将来不安で現金をため込み、消費に回さない→デフレが加速する・・・

実証的にあるのです。だから、これを逆に取って、「リフレ・インフレ目標」なのです。

↑ここまで


単純です。○○年○○月に諸費税が上がる、タバコ税が変わる、家電エコポイントが始まる・終わる・・みな、将来予想(予想の中でも、確実な確定)に基づいて、現在の行動を変えます。

難しい理論に基づいた、単純化した政策・・・これが、一番分かりやすい・・・庶民にも合理的判断が下せる事例です。

“低俗批判”を跳ね返し話題のNHKのコント「LIFE!」 舞台裏を西田尚美が語る

デイリースポーツ 5月10日(土)16時53分配信

 女優・西田尚美が10日、NHK「土曜スタジオパーク」に生出演。一部の国会議員による“NHKのバラエティーは低俗”発言を逆手にとったコントがインターネット上で反響を呼ぶなど、話題の同局のオムニバスコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」(木曜、後10・00)の魅力と舞台裏を語った。

 西田がレギュラー出演する「LIFE」はウッチャンナンチャンの内村光良がメインで出演。8日の放送では内村がNHK勤続40年超の“ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・ディレクター”、つまり超古株ディレクター・三津谷寛治に扮し、何かにつけて「NHKなんで」と必要以上に制約をつけ、硬すぎる演出を要求するコント「NHKなんで」が放送された。

 3月の衆院総務委員会では、日本維新の会の中田宏衆院議員が「NHKの番組が低俗になっていないか」と「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「七人のコント侍」の3番組をやり玉に挙げ、「ドタバタ暴れて人の頭を叩いて笑いを取るようなものではなく、地域性や日本の歴史文化をひもとき、若い人が関心を持てるような番組にしてほしい」と持論を展開し、ネット上では賛否両論が巻き起こった。

 8日に放送された「NHKなんで」は、明らかに中田議員の批判を逆手に取ったネタ。ココリコの田中直樹が司会を務める新バラエティー番組のリハーサルという設定で、内村扮する三津谷ディレクターが登場し、「非常な低俗な雰囲気、これはまずいですね。NHKなんで」「NHKには『日本各地の地域性や、さまざまな歴史や文化をひもとくような番組』を放送する義務がある」「NHKらしい良い番組にしたいと思います」と口火を切る。

 そして、「いくら怒ったからといって、人の頭をバコバコ叩くのはやめていただきたい。NHKなんで」「NHKにおもしろはいりません」「ギャグはNHKにはいりません。民放でやってください」と次々とバラエティー色を排除する注文をつけ、番組内容を変更していく。

 また、演出変更に難色を示した田中に「田中氏、あなた、大河や朝ドラに出演したことは?」とたずね、田中が「ないです」と答えると、「では、主演で考えておきましょう」と切り返し、言うなりにさせるなど、生々しいやりとりも話題を呼んでいた。

 内村は同コント前のトークコーナーで「この(三津谷ディレクター)キャラクターやりたかったの。このキャラクター大好きなの」「これは好きです。自分、好きっす」と珍しく強調していた。

 8日の放送後は「噛みついた国会議員がみじめ過ぎるくらい秀逸な返し技」「インパクトあった。皮肉がきいてて面白い」などと書き込みが続くなど、大きな反響を呼んでいる。

 10日の「土スタ」に出演した西田は、番組を引っ張る存在の内村について「すごく優しい。何でも許してくれるというか、腰が低いというか。キリキリしてないので現場が(やりやすい)」と絶賛。現場ではそれぞれが台本を読んで練習しているが、その場の空気を読んでいつも内村が、「せりふ合わせしてもらってもいいですか」と声をかけてくれることが助かる、と心遣いにも触れた。

 また共演する田中やドランクドラゴンの塚地武雅について「リハーサルと本番でグッと変わりますね」と驚き、「特に田中さんは本番でキャラ変えたりするので、びっくりします。(現場は)本当にライブ感がある」と明かした。

 



ハイエクに言わせると、プライバシー侵害、人権侵害、やらせなど、BPOに違反する事例への批判は、判例・法・ルールに基づいた批判ということです。

 「サザエさんはいいけど、クレヨンしんちゃんはダメ、笑点はいいけど、めちゃイケはダメ・・・」は、裁量(個人的判断)となります。

読売26.5.11

山崎正和「現代の正義 確かめ合う」

…日本では妊娠中絶は事実上、産む女性の自由として認められているが…これは生まれてくる胎児の人権と矛盾している。現実に外国にはこの理由から中絶反対の運動があり、理論的にはこれを保守的として切り捨てるのは難しいのである。

 東日本大震災…孤立した病院で動けない患者を守った看護師たちは、同じく被災した家族と職場のはざまで引き裂かれることになった。家族を捨てて病院に残った看護師と、わが子のために職場を離れた看護師は、いずれも長く後ろめたさに苛(さいな)まれた…。



「良いだの悪いだの」、深く洞察すればするほど、簡単な話ではないことが分かります。芸術(文学、絵画、戯曲etc)は、ここを主題にします。ここが理解できないものに、人間の苦闘・葛藤・矛盾・・人間の尊厳など、理解できるはずが無いのです。

NHKの番組が・・・国会は、このようなことが議題になっています。


http://book.akahoshitakuya.com/b/4309246281

galoisbaobab

すばらしいっ!経済知識と経済力0のオレでも腑に落ちた!いやー、読んでよかった。というか、高校生の時にこんな本があればなーと思いました。つまり「経済のこと」と「経済学」の橋渡しをしてくれる良書だと思います。 オススメ!



<追記>

蓮舫氏ら代表選前倒し要求、海江田氏は応じず
読売新聞 6月18日(水)18時30分配信
 民主党の岸本周平衆院議員(当選2回、和歌山1区)ら若手衆院議員5人は18日、党代表選の立候補要件の緩和を求めた23人(衆院16人、参院7人)の署名を大畠幹事長に提出した。大畠氏は役員会で議論する考えを伝えた。

 署名は、代表選規則を改正し、立候補に必要な推薦人を現行の「20人以上25人以内」から「10人以上」に引き下げるよう求める内容で、幅広く立候補を可能にする狙いがある。

 海江田代表に批判的な議員は、署名活動を「海江田おろし」や代表選前倒しにつなげようと考えていたが、署名が全115人の同党議員の5分の1にとどまったため、「『海江田おろし』は大きな流れになっていない。収束する」(執行部)との見方も出ている。

 一方、同党の蓮舫元行政刷新相ら参院議員約10人は18日、国会内で海江田氏に会い、代表選を前倒しで実施するよう申し入れた。海江田氏は応じない考えを示した。



ハイエクに言わせると「最悪」です。

菅首相が辞める辞めないでもめたとき以降に、「ルール」変更の余地はありました。

それを、全くしないで、昨年民主党代表を選ぶ選挙を行いました。

それが、「地方選が海江田では戦えない」から、ルールを変えろ、代表選を前倒ししろと、ルールにないことを求めます。

目先の利益(裁量)しかないことを露呈しています。

しかも、自分たちで決定したのなら、どんなに不満や反対が合っても、組織としては、その決定を全力で行う、支えるというのが、要諦です。しかも、選挙ですから、会社の命令と違い、「自分の意志」も十分に反映されています。

自分としては反対だが、組織人としては、全力で行う・・山本五十六であれ、今の小さな会社であれ、当たり前のことです。

それを、あとになって、自分が気に入らないから、ワアワア。お子ちゃまです。

ついでに。

菅元首相。行き当たりばったり(裁量:その時々の恣意的判断)を象徴する人物です。


http://sankei.jp.msn.com/life/news/140710/trd14071011000011-n1.htm
産経ニュース

脱原発の旗手・太陽光、菅元首相の「1千万戸」で賄える発電量は4%、現在の申請数80万件の現実


 11ヘクタールに約3万8千枚の太陽光パネルが並ぶ東京電力浮島太陽光発電所。平成24年8月~25年7月の発電量は約974万キロワット時、2800軒分だった=川崎市川崎区浮島町
 
 東京電力福島第1原発事故以降、太陽光や風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)への期待が高まり、太陽光パネル設置を後押しする政治家の発言も相次いだ。太陽光パネルはどれぐらい普及したのか、自然エネルギーで日本のエネルギーは賄えるのだろうか-。(平沢裕子)

◆1000万戸でも4%

 「家屋への太陽光パネル1千万戸設置」-。平成23年5月、菅直人元首相は経済協力開発機構(OECD)の演説でこう宣言、さらに「自然エネルギーの発電割合を2020年代までに現在の9%から20%にする」と表明した。

 1千万戸に太陽光パネルを設置する場合、1戸につき200万円としても20兆円かかる。東日本大震災における建築物や農水産物などの被害額は16兆9千億円と推計され、設置にはそれを超す金額が必要となる。

 発電量はどれぐらいだろうか。平均的な1戸当たり発電量は年間約4千キロワット時で、1千万戸の発電総量は年間400億キロワット時。25年度の日本の総発電量は9400億キロワット時で、1千万戸に太陽光パネルを設置しても総発電量の4%にすぎない。

 一方、23年4月、神奈川県の黒岩祐治知事は「4年間で太陽光パネル200万戸設置」を公約に当選。200万戸設置にかかる費用は約4兆円。4年で実現するために年1兆円必要だが、同県の一般会計予算は26年度で1兆8650億円と予算の半分以上を使わなければならない。筑波大学システム情報系の掛谷英紀准教授は「どちらも計算すれば非常識な数字と分かるが、当時、大きく問題にされることはなかった。自然エネルギーに関しては今も同様の非科学的な発言をする人がおり、そうした発言が放置されているのが現状だ」と指摘する。

 同県が23年9月にまとめた「かながわスマートエネルギー構想」では「2020年度までに県内消費電力の20%以上を自然エネルギーにする」とし、「4年で55万戸」の目標を掲げた。55万戸設置の発電量は22億キロワット時で、24年度の同県の消費電力量485億キロワット時の4・5%。ただ、目標の非現実性に気づいたのか、今年4月の「かながわスマートエネルギー計画」では11%にトーンダウンした。

◆広大な開発必要

 太陽光発電協会(東京都港区)によると、23~25年度の太陽光パネル設置の補助金申請は全国で約80万件。菅元首相が目標に掲げた1千万戸は遠い。

 太陽光だけではない。政府は6月、新成長戦略で風力発電の導入加速をうたっている。現在、日本で一番使われている自然エネルギーは水力。「ダムが環境を破壊する」として水力は人気がないが、「風力で水力と同規模の発電量を確保するには水力の5倍の施設面積が必要」(掛谷准教授)。風力発電の施設設置も自然を壊さないとできず、環境破壊の度合いはダムの比ではない。

 掛谷准教授は「自然エネルギーは単位面積・体積当たりのエネルギーが非常に小さい。広大な開発行為なくして自然エネルギーによる火力や原子力の代替は不可能。しかし、物理法則上、不可能なことが可能であるかのように主張する人たちがいる。これにだまされないためにも、科学的に物を考える習慣を身に付けてほしい」と話している。

 ■「5年後の日本」論文募集

 掛谷准教授が代表を務めるNPO法人「言論責任保証協会」は高校生を対象に、「5年後の日本」がどうなっているかを具体的な論拠を示して予想する小論文を募集している。審査委員長はロボットスーツHALの開発者として知られる筑波大の山海嘉之教授。

 完成度の高い小論文5~10点を佳作、5年後を正しく予想しているとされるものを今年中に優秀賞に選出。5年後、その中から最も予測力が高かったものを最優秀賞とする。最優秀賞の賞金は10万円。4000~8000字の小論文を添付ファイルにし、名前、連絡先を明記し、メール(senkenryoku@nifty.com)で送る。締め切りは10月1日。




 しゃべればしゃべるほど、日本への信頼、日本政治への信頼を貶めるだけでした。


せいぜい、人間が考えることが出来るのは、5年10年です。30年の長期、50年後の日本を考えるのは、人間の理性では、無理なのです(予定稿 人口少子化問題へ)。

でも、変わっていないようです。

http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11892449877.html
地中熱(温度)利用
菅直人

 台風一過、猛烈な暑さになった。

  我が家でこれから効果を上げるのが地中熱(温度)を利用した冷房。冷房といっても積極的に冷やすのではなく、地中の温度を利用するパッシブな冷房。

  原理は次の通り。地下10メートルの地中温度は1年を通してほぼ一定で、地上の年間平均温度といわれている。東京では17度。我が家は床下を断熱材で囲って空気のプールを作り、そこにたまった空気を換気扇で部屋に送る仕組み。床下は地中10メートルの温度とまではいかないが夏なら外気温よりは数度低く、送られてくる空気も外気より数度低い。送られてくる空気の前だと、クーラーをかけなくても結構涼しい。

  クーラーは室内を冷やす以上に外に熱を出し、街全体を加熱する。地中熱利用ではそうした問題は生じない。地中熱は東京のスカイツリーに利用されているが、日本全体ではまだ少ない。究極のクリーンなエネルギー利用として広く普及させたい。

http://blogos.com/article/90393/
菅直人
2014年07月13日 10:06
安倍晋三という政治家

 一昨日のこのブログに地中熱(温度)の活用について書いたら、ある週刊誌がさっそく取材に来た。普及に少しでも役立つ可能性があるならと思って取材を受けた。



 理系の人は、理論と論理に乖離のある人たちのことを示すのでしょうか?それとも、菅直人さんだけの現象でしょうか。

<追記  裁量国家のトンでも>

日経H26.7.15『規制 岩盤を崩す』

 血糖値の吸収を穏やかにする効果で特定保健用健康食品(トクホ)の許可を申請した日清ファルマの「グルコバスターカプセル」が消費者委員会に却下された。同商品は、先に粉末タイプでトクホ許可を得ていた。01年にカプセル型の食品もトクホ対象と認める厚生労働省通知が出て、形状規制はなくなったはずだった。それが一転、「カプセルだと医薬品と誤認される」と却下。…今なお、カプセル・トクホは生まれていない。 「試合中にルールを変える裁量行政がイノベーションを阻む」・・日本総合研究所翁百合理事…



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genre : 学校・教育

comment

Secret

最近はマシになりましたが、スポーツの日本代表の選考なんか裁量のさいたるものですよね。
昔の千葉すずしかり、田村亮子しかり。横綱や大関昇進もそうです。
選考基準のなかに裁量が入る余地がありますよと書いてありますから。
団体競技は仕方無いにしても、個人競技は裁量の入る余地を与えるのはどうかと思っています。
そこへいくとアメリカは分かりやすいですね。

No title

>アメリカ

みなさん、市場原理主義とか、新自由主義とかって、批判して、さもアメリカが、市場メカニズム重視の理想国(過激国)だと思っていますよね・・・

でも、本当は、アメリカこそ、市場メカニズムを無視した、国家資本主義なんです。

ニクソン時代、あまりのインフレに、なんと、「90日間物価凍結」命令出しました。しかも、何度もです。



81年、日本には、自動車輸出の数量規制を押し付け(結局日本の輸出自主規制・・・)、

85年、ドル高是正のための、強制的な(ルール無かったです)プラザ合意、

クリントン政権では、スーパー301条をちらつかせて、日本に数量規制押し付け、

これのどこが、「市場メカニズム」なのでしょう?

本当は、この世に、「自由主義経済」なんて、ないんですけどね。

フリードマン、怒ったこと怒ったこと(笑い)。

No title

>裁量

スポーツ界はともかく、日本の行政裁量、どんなに不満があっても、裁判では勝てません。日本の行政の裁量は、本当に、ものすごく広くて、死亡した人に、税金の督促状を出したというような、明らかな「錯誤」以外、行政判断は、99%正しい・・・というのが、日本の判例です。

タクシーの行政訴訟など、本当に「よく勝てた」というほど、日本では例外中の例外です。

法律→施行例→施行規則・・と、法律は必ず「委任立法=行政裁量」になっています。

だから、道交法など、頻繁に、罰則や定義変わりますよね。あれ、一々、国会審議などしないで、警察庁の胸先三寸で、変更できるんです。

シートベルトの後席義務化なんて、一々国会審議など、しないのです!

これだもの、官僚が既得権益、手放さないわけです。
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