ピピピピピがブログを書きますよ。

運動もせず、ヘタレ顔でキーボードに手を置くピピピピピがブログを書く。野人の如き豪快さが欲しいね。

女子へ。鼻くそは絶対にほじっちゃいけないよ

鼻くそ成分研究家でもないのに、ひたすら穴に指を突っ込んで掻き回しては、獲得したくそを見てニコニコしている。
彼女達は、自らの肉体そのものには対した興味がないのかもしれません。
化粧を施した後の変化や、体の内よりも外をひたすら見ている。
鼻の粘膜に傷がつこうが関係ありません。
さながらプロゴルファー。四六時中穴に指をホールインワンします。
鼻ほじり女子にインタビューをすると、ヒステリックにこう返されます。

肩にトンボがとまれば捕まえようとする人がいるでしょ? 汚れた硬貨でも500円玉なら手に取る人がいるでしょ? LOVE×2な男子になら歯磨きいらずでキスする人がいるでしょ? これらの例と、鼻くそをほじる事による汚れ率にどれぐらいの違いがあると思ってるのかしら? 『鼻くそ』って名称に捕らわれたステレオタイプに物事をまとめるお堅い人になっている可能性があるから気をつけた方が良いわよ。ガーデニング趣味の小綺麗なオバサンが土をほじるのと、鼻くそ鑑賞を趣味とするあたしが鼻の穴をほじるのでは、どちらの方が汚いのかしらね? まさか、鼻くそエビデンスの確認もせずに鼻ほじりは害だと判断しているんじゃないでしょうね? なんて愚かな偏見」

人それぞれの美的感覚があるから仕方ないじゃないか!

俺は、気押されながらも懸命に言葉を返したが、雨雲のように濁った表情の彼女はひたすら言葉の雨を降らしてくる。

童貞は出世出来ない。ブスは内面が腐ってる。ハゲは痴漢。チビは必死。デブは終始臭い。ニコ厨は総じて自己愛性人格障害。鬼女は汗かきで生ゴミ臭いめがねブス、ビッパーは薄毛ガリキモメン。土偶体型は口臭い。口汚いブックマーカーはITキチ○イ。これらの偏見的精神クラッシャー毒舌と、鼻ほじりディスって根本の部分で同類だと思わない? 一瞬でも同意のうなずきをしそうになったのなら、あなたも鼻をほじりなさい。一人一人が穴に指を突っ込む事によって、世界に広がる鼻ほじりへの偏見は消え去るのよ。‘穴があったら入りたい’って言葉あるでしょ? これは鼻ほじりを肯定する意味で作られているのかもしれないわ

 鼻ほじり=不潔。こう思う人間が多いのは事実だろうが!

瞬間的にノイローゼにでもなってしまったのではないかと思わせる曇った顔面で、ため息を漏らし続ける鼻ほじり女。
黄昏に潜むロマンの光が、女の指先についた鼻くそを照らす。
俺は鋭い目つきでくそを見つめながら、女の話を聞く。

「感情論で戦いに挑むなんて、平社員止まりが良い所ねあなた。数日前に鼻くそ調査に関する記事を読んだけれど、3人に一人は鼻くそをほじるだけに留まらず食べた事があると回答していたわ。唖然としたその顔に鼻くそをなすりつけて神経衰弱に追い込んでやりたいほどよ。あなたは鼻くそほじり行動の一点だけで、取引を中断する事があるのかしら? 婚約を破棄するのかしら? アクセルを踏み込んで殺害するのかしら? 誰にだって、鼻くそをほじるまでの過程である思考の道筋が存在するの。まさかあなた、学生の時に教室でおしっこを漏らしたクラスメイトに引いたりしたんじゃないでしょうね? 初デートでゲロを吐いた女の子に幻滅したりしたんじゃないでしょうね? 緊張で滝のように汗を流すリーマンを見て反吐を出したりしたんじゃないでしょうね? 自然現象を引き起こした生物は全て踏み殺す! って目をしているわね。生物をモノと勘違いしているんじゃないの。新品のパソコンやレコーダーやスキャナーだと思っているでしょ。それらが自然的に故障したのなら眉根を寄せたままショップ店員を八つ裂きにする光景が脳裏に浮かんだりもするわ。けれど鼻くそほじりのケースは全く別物よ。心臓の鼓動を感じさせる尊き生物である人間を相手にしているの。人間と言う弱い生物の心に、ダイナマイトを投げ込むような真似をして楽しいの? 一度の爆発で木っ端みじんになる脆弱な存在がそんなに憎いのかしら。鼻ほじりを否定する人間は、数万超えの生命を一挙に絶しているのと変わりないのよ。半ば英雄ぶって、『鼻くそほじりは汚いから辞めなさい』なんて説教を垂れるんでしょ? それによって涙を流し、仕舞いには血を流して絶命する人が出てくる可能性を視野に入れたりしないんでしょうね。短絡的な暴動は辞めてちょうだい。‘ある災害の英雄は、別の災害の加担者なのだ’って言葉を知っているかしら? 一つの行動が賞賛されるか非難されるかは、行動者の思考よりも、その場の状況、すなわち運に左右されると言う事よ。つまりね、あなたが鼻くそほじり行動を辞めさせようとする英雄的行動は、タイミング次第で相手のクビをちょん切る事になるのよ。他人の鼻くそほじりを辞めさせる、それはギャンブルなのよ。ポーカーなのよ。賭け麻雀なのよ。鼻くそに丁か半のエネルギーを二度と使わないでちょうだい!

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君は、腹を切り裂いて大腸を引っ張り出す瞬間を気持ち悪いと思わないのかい?

鼻くその付着した人差し指を向けて語り続ける女に苛立ち出す俺。
女の精神をひん剥きたい気持ちが殺到した。
「お前さ、鼻をほじるまでは百歩譲って良しとしよう。だけどよ、その後の鼻くそ遊びは黙って見てられねーよ。人差し指と親指でくるくると丸めた後、親指を指揮者として演奏を始めるかのように鼻くそを華麗に転がすだろ? どこの誰が鼻くそカルテットを許可するかよ。てめーだって、運搬トラックで巨漢の捻り出した糞を主要都市に移動させ続ける光景を許す事なんて出来ねーだろ? 重犯罪にはバッテンを出すけれど、信号無視などの軽犯罪にはギリギリマルつけちゃうタイプかこら!」
しっぽを捕まれたぐるぐる回される蛇のように、追い詰められて、更に曇り出す女の顔。
曇り空……そこはとうに超えている。もはや雷雲だ。
ごろごろと不穏な空気を流しながら、妙に澄んだ顔になっている女。
嵐の前の静けさか。
スコールのようなディベートも一休みかと思ったところで、バズリシャンっと魔法の様な音の雷を落とした。
誰が落としたか、鼻くそ女だ。

「軸のぶれぶれな男ね。ここに来て鼻ほじりを許せるものへとランクアップさせるなんて。平たく言ってやるわ。あんたには信念がこれっぽっちもないのよ。全身にくまなく偽善を塗りたくったような、自己愛を深めるためのような、安易で得手勝手な臭いがツンとするわ。鼻くそ事情に知悉している訳でもなければ、救世主よろしく、崖っぷちの鼻ほじり達に利き手を差し出してやるような意識はまるでない。博愛主義でもなければ高次元の美意識を持ち合わせている訳でもない。あなたがやっている事は熱帯夜に熱風を送り込んでいるのと一緒よ。とりわけ暑い夏はあなたのせい。猛暑もあなたも人類にとって暑苦しい。現にあなたは今、あたしの言葉の数々に怒り心頭でしょ? それは見苦しい事よ。右往左往してるだけで消え去る、ちゃっちいライフスタイルを見せられるこっちの身にもなってちょうだい。どこを目指しているのか知らないけれど、あなたの気弱で腐ったデザイアを押しつけるのは辞めて。電車で下半身を押しつけられるのより不快だわ。もっこり膨らんだそのほっぺの中にはヘルプと泣き叫ぶ虫歯菌がいるでしょうね。あなたのような魅力の乏しい人間には、細胞もばい菌も辟易しているはずよ。その口の中で黄ばんだ歯達も、歯科医に抜歯されて初めて万歳三唱するのでしょうね。そもそも、あたしは鼻ほじりに対する熱して冷めない想いがあるの。小型カプセルに入れて、ストラップをつけて鼻くそを持ち歩きたいほどよ。鼻くそは優良な人間の手間暇から出来ているの。労働の後の鼻ほじりは特に素晴らしいわ。それも深夜になるといつもより大きなものを得られる場合もあるの。まさに時間外労働+深夜労働で5割増しの鼻くそよ。夜中に生まれた鼻くそを、デスクに飾っておくと、朝になって驚くわ。砂の芸術になっているの。ちょこんと触れる指先でぽろぽろっと崩れる。なんて素敵なのかしら

鼻くそか……

俺は文明社会に毒されているのかもしれない。
いつしか科学万能主義・合理性・レバレッジなど、便利を追求する為に作られた言葉に支配されていた。
そうだ。俺は何を勘違いしていたのだろうか。
ママとパパの前で派手に尻餅をついたあの日、あの時、あの瞬間。
直接触れたケツの中心部。咄嗟に痛みを緩和するための反射行動。
あの時間、俺の手のひらは汚れていた。けれど魂は穢れてはいなかった。
そして今、俺の手のひらは清潔だ。けれど魂は穢れているのかもしれない。
小学二年生の頃の事を鮮明に覚えている。
俺は、6人のいじめっ子に囲まれて鼻くそをぺたぺたと貼り付けられていた。
何故そんな事をされたのかと言えば、クラスで俺だけが鼻くそをほじっていなかったからだ。
鼻くそさえほじっていればいじめは止む。
だが、若き俺は未熟ながらも、「強制された鼻ほじりはしない」と誓う力強さを持っていた。
幾つもの季節が俺の視界を通り過ぎたさ。
幾つもの誘惑が、指を穴に入れようとして来たさ。
拭う涙が、人よりも多かったのは勲章だ。
俺はそうやって、自らの過去を光栄だと思っていた。
自慢じゃないが俺は、鼻穴童貞だ。
「悲観の滴がぽたっぽたっと美しく落ちてきたよ」なんて、浮かんでいる白い雲を見ながら、今を美化するしかないか……。
『少年老いやすく学なりがたし』
気づけば鼻もほじる事が出来ない人間になっていた。
街を歩けば、鼻を指さして笑っている人々がいる。
夜道を歩けば、鼻穴を狙って執拗に追いかけてくる鼻穴暴漢。
分別のついた大人になって、何度かチャレンジした事だってあったさ。
でも、小刻みな震えが指先を左右にぶらしてしまい、何度試しても入らないんだ。
「それならば、まずは他人の穴だ!」と、いきり立ってストリートナンパに挑戦した事もある。
「一回だけ。一回だけで良いんで穴を貸してください」
気づくと顔中がパンパンに腫れていた。
どうやらシバかれたらしい。
挑戦する度に、暴虐の限りを尽くされ、鼻穴が閉じてしまうほどに傷を負う。
さながら俺はドラム缶。
乱暴な扱いしかされないのさ。
飲み込んで消化してきたはずの憂鬱が、毛穴から這い出てきて、俺を睨み付けるんだ。
落ちては地面に馴染む涙を恨んだ。
どうしてお前は、孤独な俺の前で何者かと打ち解けるのだ!
怒りに震えて、真っ赤になった俺の顔。
恥の極地に辿り着いて、踏ん切りがついた。
幼かった純真な自分を呼び戻して、闇雲に両の手の中指を立てる。
散々俺を苦しめて来た鼻穴への復讐だ!
ファックと悪態をつきながら、両の穴をついた。
自らの意志の弱さを鼻穴のせいにして怒り出すのは的外れな事かもしれない。
従順な鼻くその言いなりになっていた俺は、意識を一変させるのだ。
去年よりずっと綺麗な景色を観るために、鼻くそをほじくり出すのだ。
卑屈さと粘りが中指を支配している。
ぐりぐりとほじった。数分間ほじった。
初めて、自らの鼻くそと出会うために。
「一蓮托生!」
叫びながら、風を一刀両断するかのように指を抜いた。
数分前と同じく、両の手がファックのポーズ。
しかし、そこに鼻くそはついちゃいなかった。
一心不乱に鼻穴に戻って、闇雲に探したさ。
何度も俺に対する声が聞こえた気がした。
「忘れ物があるんだ!」
そう叫んで必死に、鼻の中に指を突っ込んで忘れ物を探す。
ない……ないよ……。
悔しいなんてもんじゃない。
涙が落ちてきた。涙が落ちてきた。涙が落ちてきた。
いつまでも続く涙の後に、何故か勢いのあるツバが飛んで来た。
顔を上げて愕然とする。
こめかみに青筋を立てたチンピラに囲まれていたのだ。
「なぁおっさん。誰に中指立ててんだこら? 忘れ物だぁ? まさか飛ばして来た鼻くその事言ってんじゃねーよな?」
チンピラの指には、鼻くそが付着していた。
俺は笑った。
横っ面をぶん殴られた。
俺は声に出して笑った。
乱暴に地面に叩きつけられた。
俺は涙を流して笑った。
顔面に強烈な一撃を叩き込まれた。
その瞬間、鼻くそが口の辺りに落ちて来て転がる。
そのまま、すうっと優しく口の中に入り込んで来た。
痛みよりもずっと大切で勢いのある衝撃が、俺の心を揺さぶる。
分かっているんだ。
俺の胸にはチンピラが持参して来た大きめのナイフが刺さっている事は。
塩の味が口の中に広がると同時に、俺と鼻くそは一体化した。
溜め込んできた美しい感情が弾け飛ぶと同時に、視界にナイフが急降下してくるのが分かった。
黄昏に潜むロマンの光が、永遠に俺を照らし続ける。

 

俺が童貞を捨てたら死ぬ件について 1 (メテオCOMICS)

俺が童貞を捨てたら死ぬ件について 1 (メテオCOMICS)