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そんなまさか!我が家の可愛い愛犬が人に噛みついた

ワンちゃんの噛みつきトラブル増加

 

ペットを家族の一員として飼っている人も多くみられますが、飼育方法などには少し注意が必要です。

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道を歩いていたら野良犬に噛みつかれた!なんて事もありますが、きちんと家の中で飼育している犬でも咬みつき事故を起こすのです。

様々なペットがいますしケースも色々とあるのですが、ペットの中でも犬の噛みつき事故は多い傾向です。

 

犬は動物ですから、どんなにしつけていても不意に人を咬んでしまう事もあるでしょう。

また、人でなくても他人のペットを咬んでしまうこともあります。

わが子に限ってと油断は禁物です。

この事案についても御相談を受けた例を参考にご紹介していきます。

 

家の中で飼っているチワワやミニチュアダックスなどの子犬が起こしてしまった事件です。

家の中で飼っているからと安心はできません。

 

例えば、荷物を届けに来た宅配業者の人や新聞配達の集金の際の来客時には注意が必要です。

このような普段出入りしない人、ワンちゃんにとっては見覚えのない人が来ると犬は警戒態勢に入ります。

これは何も犬に限った事ではありませんが…

 

ちょっとした隙に飛びかかり噛みついてしまうような事が起きてもおかしくありません。

では、もし噛みつくなどして相手に怪我をさせてしまったら!

よほど重傷でない限り、通常であれば飼い主が謝罪し、治療費を負担することで決着するケースが殆どです。

 

しかし、相手次第や重傷などの場合には簡単に決着しない事もあります。

そもそも、飼い主には法的な責任があります。

それは「動物占有者責任」です。

これは、飼っている動物が他人の生命や財産を侵害しないようにする責任です。

 

もちろん、どんな状況でも噛んでしまったワンちゃんが全て悪いという事ではなく、被害者側にも過失(叩いた・不意に近づいたなど)があれば「過失相殺」となります。

 

ただし、やはり飼い犬が事故を起こしてしまえば被害者への損害賠償の責任が発生します。

特に、ノーリード(リードなし)での事故は責任が重くなります。

家の中で飼っている人は通常ノーリードだと思います。

だからこそ、しつけももちろんですが、来客時には玄関にワンちゃんが来れないようにドアをしめておくなど、細心の注意が必要です。

 

たまに、ノーリードで散歩している方などを見かけますが、これは絶対やめたほうがいいですね。

どんなに優秀なワンちゃんでも、安心はできません。

 

また、お庭で犬を飼っている場合も同様です。

きちんと綱をつけておくなど、対策をしておくべきです。

綱を付けていた例としては、こんな相談がありました。

 

リードをきちんと付けて庭で犬を飼っていた例です。

「子供が自宅の敷地外でボール遊びをしていたが、ボールが庭に入ってしまい、勝手に子供が庭に侵入した」

「庭で飼っている中型犬はリードで繋がれていたが、ボールが犬小屋の近くに転がっていたため、ボールを取る際に子供達は犬にちょっかいを出した。」

 

そして事件が起こりました。

繋がれていた犬は驚き、1人の子供に飛びかかったのです。

不幸な事に飛びかかったときの勢いで劣化していた綱リードが切れてしまったのです。

 

飼い主はいつもと違う犬の鳴き声に異変を感じ、すぐに庭へ出ました。

一人の子供が横たわっていました。

犬は一度飛びついただけで、それ以上は何もせず横たわる子供に向かってただ吠えていました。

 

飼い主は慌てて犬を制止し、子供の状態を確認しました。

「子供の腕には犬が飛びかかった際に出来たと思われる引っかき傷があるのが確認できた」

 

 

その日のうちに、飼い主は菓子折りを持ってその子供の親に謝罪しにいきました。

しかし、親の態度は一方的で、「子供に何の落ち度もない!」

「しつけがなってない!リードが切れるなんて管理はどうなっているんだ!」

 

飼い主も始めのうちはただ謝りつづけたらしいのですが、どうやら子供が勝手に庭に入ったことを親には黙っていた様子に気づいたとのこと。

そこで、一連の出来事を相手の親を怒らせない程度に説明したところ、「まるでうちの子が悪いと言っているのか!」という始末に。

 

それどころか、「勝手に庭に入り、犬をからかったり叩いたりなんてうちの子はしない!」と最悪の事態になってしまったというのが相談内容でした。

 

さて、相談者の言い分ですが、

「確かに飛びかかり、リードが切れた責任はコチラにある。しかし、勝手に庭に入り、犬をからかったのは子供」、「100%コチラが悪いわけではないのでは?」というものです。

 

この事案を法的に考えると次のようになります。

犬のそばに近づき、からかうなど手を出して噛まれた場合、被害者である子供にも過失が認められます。

しかし、飼い主はリードの劣化などの管理体制に問題があり、怪我を負わせてしまった責任を取らなくてはいけません。

 

よって、治療費などを含めた損害賠償を支払う場合には、過失相殺され全額負担するのではなく、減額される事になります。

 

では、もしリードが切れていなかったらどうなるか?

飼い主には責任がないように思われますね。

子供が近づいたりからかったりしなければ、事故は発生してないのですから…。

しかし、最近の傾向では飼い主側の責任が重くなっているのです。

 

明らかに子供が悪くても、飼い主は多少の責任を負う事になってしまうのです。

つまり、飼い主の責任がゼロになるケースはあまりない。

なお、過失割合を決める際には、管理体制などを含めた総合的な判断となります。

 

今回の件では、弁護士のほうから一連の事件内容を一緒にいた他の子供達(親)からも調査して、被害者の親にきちんとした事故状況を説明しました。

そのうえで過失相殺の説明をし、納得してもらいました。

 

結果としては、飼い主の管理責任と被害者である子供の保護者の監督責任(子供の過失)を考慮し過失割合によって損害額を算出し、相当額の減額がされた示談が成立しました。

 

 

飼い主の義務とは?正しい管理は飼い主としての最低のルール!

犬を飼う場合には、しつけや管理なども必要ですが、「動物の愛護に関する法律」などの規定や「鳥獣保護法」なども関係している事を知っておかなくてはいけません。

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また、地域保健法などにより条例等においても飼い犬の管理規定が定められています。

このような規定を知り、守ることも飼い主の責任だと思います。

 

では、具体的には?

例えば、規定に定められた登録や鑑札の取得、及び予防接種などをきちんと行う義務があります。

また、今回のように飼い犬が他人に噛みついたなどの事故を起こした場合には、通報の義務があります。

飼い犬が他人を噛んでしまった場合、飼い主は最寄りの保健所に届け出る義務があります。

その際には、登録されている犬かどうかなど、規定に反していないかのチェックがなされます。

なお、規定に反していた場合。

飼い犬とは認められず、飼い主の権利も認められません。

簡単に説明しましたが、このような規定がある以上、飼い主としては最低限のルールは守るべきですね。

 

そして、既に事故の際の損害賠償の義務については説明しましたが、これは民事だけでなく刑事事件としても被害者は告訴が可能となります。

なお、損害内容ですが、被害者の治療費、治療に伴う費用(交通費など)の全て及び感染症などの検査にかかる全てが含まれます。

 

また、その飼い犬が過去にも噛みつく事故などを起こしている場合、民事裁判において殺処分等の命令が出る場合もあります。

思いもよらない犬の事故は大きな損害となる場合もあるという事です。

 

今回の相談者の事案のように示談で済めばいいのですが、怪我の程度が大きい場合には民事裁判となる例もあるので気をつけたいところです。

 

こうした飼い犬の噛みつき事故ですが、環境省のまとめによると全国的に減少傾向にあるものの、平成23年度には4149件も発生しています(飼い犬が全体の9割)。

また、噛みつき事故以外でも、鳴き声騒音、排泄物の不始末、飛毛などを原因とするワンちゃんのトラブルもあります。

 

ただし、このようなトラブルは飼い主次第で避ける事ができると思われます。

かわいい愛犬ばかりに目が行きがちですが、周囲に迷惑をかけないという事を一番に考えてもらえたらこのような事故も減るのではないかと感じます。

また、正しいしつけに加え、犬の習性や行動などもしっかり理解しておくといいでしょう。

 

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