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 北海道木古内(きこない)町のJR江差線で2012年4月に発生した貨物列車の脱線事故は、コンテナ内の積み荷が偏り、左の車輪に加わる荷重が右より6割以上重くなったことが原因とわかった。運輸安全委員会が25日に調査報告書を公表した。

 報告書によると、脱線車両はコンテナを5台積載。前から4台目には左側に重い袋入りの印刷用トナー原料が計3・6トンあったのに、右側には軽い箱入りのトナー原料が計0・54トンしかなかった。5台目も同様で、右車輪が浮きやすくなり、左カーブで脱線した。

 コンテナには荷主が荷物を入れ、トラック運送業者が封印。広島貨物ターミナル駅(広島市)に運び込まれ、JR貨物が札幌貨物ターミナル駅(札幌市)へ輸送する途中だった。運送約款では、運送業者が積み荷の偏りを確認するはずだったが、業者は「失念した」と話したという。

 現場付近で同年9月と今年6月にあった脱線事故との関連は「検討中」として明らかにしなかった。(工藤隆治)