宮崎県でバスジャックをしたとして人質強要処罰法違反の罪に問われた住所不定、無職、佐藤成一被告(45)は24日、宮崎地裁(滝岡俊文裁判長)の初公判で起訴内容を認め「死刑になりたかった」と述べた。
冒頭陳述で検察側は、被害者が事件後もストレスで精神的に苦しんでいると指摘。弁護側は「当時はうつ病で、正常な精神状態ではなかった」と述べ、刑事責任能力を争点にする方針を示した。
起訴状によると、佐藤被告は5月11日夜、同県都城市の高速道路を走る宮崎交通の路線バス内で、はさみで運転手と乗客計10人を脅して人質とし「えびの(市)に向かえ」などと言い、車内に監禁したとしている。
宮崎県警によると、佐藤被告は職を変えながら各地を転々としていたが、次第に自殺を考えるようになった。事件前に育ての親に会うためえびの市を訪ねたが、転居した後だった。「事件を起こせば会える」と考えて犯行を計画した。〔共同〕
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