【スピーカー】
ヒップホップMC/プロデューサー/デザイナー m-flo VERBAL 氏
【動画もぜひご覧ください!】
チャンスは貯金できない: VERBAL at TEDxTokyo 2014
人生は椅子取りゲーム
VERBAL:こんにちは。TEDはよくオンラインで観ています。観ていた場所に自分が立っているというのは、ビックリしますけれどもエキサイティングなことです。ちょっと緊張してます。普段のステージよりもドキドキしておりますけれども、何といってもこの場にうかがうことができて嬉しいです。では、さっそくプレゼンテーションをさせていただきます。
(『ピーナッツ』の古いアニメがスクリーンに映し出される)
人生は椅子取りゲームのようなものです。音楽が止まると、人は(その場の椅子へと)座ります。
けれども、(椅子に)座れなかった時はゲームから外されるのです。
この瞬間を逃せば、二度とそれを活かすことができないかもしれません。皆さんはどうか分からないですが、私はチャンスというのは、いつも最悪の瞬間に来ると思っております。1998年、私のグループ、m-floは、最初の(レコード)契約を取るか取らないかという時期にありました。
今、m-floは8枚目のアルバム(『FUTURE IS WOW』)を出していますけど、当時、プロデューサーと机を挟んで一緒に話した時、彼から「君みたいなラッパーの人生は、まあ、2年くらいで終わるね」と言われました。「だけど、心配しないで。他のビッグなアーティストのために歌詞を書けばいい。それで稼げばいいよ」と、この人は言うのです。
私は20代初めのころだったので、このような提案を受けて、ちょっと困ってしまいました。ミュージシャンとしてのキャリアを掴みたいのであって、作詞家になりたいわけではなかったですし、すごい大金を稼ぎたいわけでもなかったからです。その時、気づきました。「自分のためのチャンスを積極的に作らないといけない。チャンスは貯金できないぞ」と。
バイリンガルとして育ったので、(私は)日本語と英語を自然に組み合わせて使っていました。けれども、多くの人からは、日本語か、英語の(どちらか)一本に決めるよう言われました。でも、私はそうしませんでした。混ぜる方がいいと直感的に思ったのです。(私のラップは)初めからこんな感じでした。
気にしない my periphery,’cause 邪魔者ばかり
噂に聞くmelody’s 頭ん中に
搭載 スケールは壮大
美味しく ate too many MC’s, I got 口内炎
the fly 住民 いつも troopin’
the 23区 with love 音の囚人
so throw up your hands 冗談抜きな tech
urbannite 流れ m-flo dialect
(観客歓声、拍手)
今のは、私の初期のころの詞とラップでした。最後の歌詞で言ったように、私の英語と日本語のちゃんぽんの歌詞が、私をここまで連れてきてくれました。それでは、時間を15年後へと進めていきましょう。
8枚のアルバムが出て、ツアーもたくさんして、そして今日ここにいるわけですけど、ちょうどツアーが終わったところです。(画像は)ショーが始まったところです。
昨日、新しいアルバムのためのショーをやったんです。これは去年の映像ですが。
2014年は(結成)15周年記念のお祝いの年にあたるんですけども、(これまでに)いい友人たちと一緒にコラボレーションできて本当に嬉しいです。この映像は去年のものですけども、またTEDに呼んでくれたなら新しい映像をどんどんお見せしたいと思います。
チャンスは貯金できない
人生は分からないことがたくさんです。そのため、音楽以外の色々なものへの情熱を自分の中に持とうと思ってきました。例えば、愉快なテクノロジーや、自分を表現するのに必要なものに対してです。
また、サカイ、ルイ・ヴィトン、リーボックなど(のブランド)とのコラボレーションは自分の想像を超えて、私の世界を広げてくれます。(そして)私のコラボレーターとして一番長くいてくれているのが妻です。
AMBUSH(という)ブランドを一緒にやっておりまして、ファッション面でも一緒に協力し合っております。普通、奥さんと一緒に働くのはダメだと考えられていますけども、結構いいものですよ。私は自分のチャンスを積極的に作ってきました。
チャンスが訪れたとき、貯金はできませんからね。そのことをラップで表してみました。
どうもどうも
I’mm a 表舞台のくろこ
フットワーク軽いのに濃厚
グローバルなのに Local
Hiphop 初期衝動
気づいたらハイリスクハイリターンなLIFE
マイク持ったら騒動
いつまで経っても現役なCRAZY LIFE
(観客歓声、拍手)
ありがとうございます。今の詞には、日本語と英語のミックスが入っていますが、私はグローバル、そしてローカルなマインドを両方合わせ持っているんだ、という意味をここに込めています。そして未知のものと接し、そこで色々な役割を果たすことで、私の音楽、そして作品の中に情熱を閉じ込めていきたいと思っております。
ステージではいつも積極的にふるまい、チャンスを得てきました。チャンスが来た時、私は決してそれをムダにはしません。そうする他、私は新しいことを発見できず、そして色々な分野の人とも出会えないと思っているのです。ありがとうございます。