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 東京電力福島第一原発の坑道にたまっている高濃度汚染水を抜くための凍結工事が難航している問題で、東電は23日、坑道に氷を投入して水温を下げるなどの追加対策を明らかにした。原子力規制委員会の検討会も着手を認めた。汚染水が流出するおそれもあることから、規制委は早期にくみ上げるよう求めている。

 坑道はタービン建屋から海側へ延び、事故後に汚染水が流れ込んだままになっている。東電は建屋とつながる部分を止水するため、セメントや粘土を詰めた袋を並べたうえで「氷の壁」をつくることを計画。4月末から1カ月の予定で凍結を始めたが、思うように凍らないままになっている。

 東電は、坑道内にわずかな水の流れがあるためと説明。23日の検討会で、凍結用の管を増やし、氷やドライアイスを入れて水温を下げることや、液剤で流れを弱めるなどの対策を示した。規制委側は8月中旬にも効果を確認するとした上で着手を認めた。

 汚染水が増えるのを防ぐため、東電は1~4号機を取り囲む凍土壁の工事も進めている。坑道を横切るため、坑道の水抜きの遅れが海側の工事に影響するおそれもある。