7月20日、LiSAのライブ「LiVE is Smile Always ~LiSAMMERLAND~」が山梨・富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された。
この日のコニファーフォレストは朝から雨が降ったりやんだりが続く、あいにくの空模様ながら超満員、フルハウス状態。関東一円はもちろん全国から大勢のLiSAファン、通称“LiSAッ子”たちが駆けつけた。
開演時刻、サポートバンド・らーメンズが繰り広げるジャムセッションの音を背にステージに登場したLiSAはステージ最前で6本に火柱が上がる中「いけるか!? コニファー!」とのシャウトとともに「crossing field」をドロップ。いきなりのキラーチューンの投下にLiSAッ子たちのボルテージは一気にピークへと押し上げられる。
「コズミックジェットコースター」プレイ後、改めて客席エリアを見渡し「すごいよ!」と驚きの声を上げた彼女は、この日の天気に言及。ステージはもちろん、自身のスカートにもてるてる坊主を吊していることを明かし「私自身がみんなの心とお空を晴らしにきましたっ!」と豪語したかと思えば、直後には一転「雨が降ったら、それは演出です!」と大観衆の笑いを誘う。そして「夏の始まりを最高に楽しみましょう!」と宣言すると、「ミライカゼ」「say my nameの片想い」「覚醒屋」と新旧アッパーチューンを連投。のちに「ちょっと飛ばしすぎた?」と自身が語る通り、怒濤のテンションでライブ序盤のセットリストを構成した。
曇天ながら穏やかな風が流れ始めたライブ中盤、「せっかく風が気持ちいいし、ゆったりした曲をやってもいいですか?」とのLiSAの言葉を追うように、らーメンズがミディアムチューン「僕の言葉で」のイントロを奏で始めると、雲が少し晴れ、客席エリア後方に富士山が姿を現す。これに「すごい! 富士山が見えてる!」「みんなのバックに富士山があるからね」と満面の笑みを浮かべた彼女は、続けてトライバルな「夕景イエスタデイ」や、エッジの効いたギターリフが光る「traumerei」、妖艶なハードロックチューン「DOCTOR」を投下したかと思えば、バラード「いつかの手紙」では圧倒的なハイトーンボイスを響かせるなど、変幻自在のステージングでLiSAッ子たちをときに踊らせ、ときに感動の渦に包み込んでみせた。
ライブ折り返し地点でLiSAは背中の大きく開いたルーズなシルエットのノースリーブシャツにタイトなショートパンツという、本人曰く「露出度高め」のスタイルに。「今のところお空の急な“演出”もなく」と笑った彼女がこの日の会場が富士急ハイランドであること、そして自身がライブを“デート”と呼ぶことになぞらえて「今日は遊園地デートだよ?」と煽ると、LiSAッ子たちは大歓声。しかし納得いかない様子の彼女は「もっともっと最っ高の声を聞かせてくれないと困るんですけど!」「最高の夏の始まりの思い出を作りたいんでしょ?」「ブッ飛ばしていくから、ちゃんとついてきてよ?」とLiSAッ子たちをさらに煽りながら、ライブ後半戦を一気に駆け抜ける。サーチライトのように明滅する真紅の照明に照らされながら「EGOiSTiC SHOOTER」をタフに叩き込んだのちには、再び吹き上がる6本の火柱を前に「ROCK-mode」をドロップ。LiSAとしてのデビュー前となる2010年、Girls Dead Monster starring LiSA名義で発表した「Day Game」ではCO2をステージじゅうにまき散らし、「誰よりも高く跳べ!」とLiSAッ子とともにハイジャンプをキメるエモーショナルなパフォーマンスを繰り広げた。
そして怒号のような歓声とともに「Rising Hope」を歌い終えたLiSAは左の拳を大きく前に突き出しながらシリアスな面持ちで「今年初めて武道館でワンマンライブをしてから、1日もあの日のことを忘れていません」と語り出す。体調が思わしくなく「悔しい思いもあった」武道館公演だっただけに「また行きたい」とする彼女は、2015年1月10、11日にその東京・日本武道館で2DAYSの決着戦ライブを敢行することを発表。「生きていくには大変なことも多いけど、私が未来を照らす光になる」「明るい未来で待ってるから」と力強く宣言し、本編ラストナンバー「逆光オーケストラ」を叩き込み、何度も「本当に」を繰り返しながら「ありがとうございました!」とステージをあとにした。
直後に巻き起こったアンコールに応えたLiSAは「言いたいことは山ほどあるけど、今日は祭りなので1曲歌わせてください」と手短なMCののち、Girls Dead Monster時代の代表曲「Crow Song」をプレイ。さらに「最後の最後まで雨が降らなかったよ」とこの日が自身とLiSAッ子の「みんなにとって奇跡だらけの夏の始まり」になったことを喜ぶ彼女が、9月17日リリースの新曲「BRiGHT FLiGHT」と、アンコールの定番「best day, best way」を畳みかけると、客席エリアにはピンクのテープが降り注ぎ、その上空には何発もの花火が打ち上げられる。すると彼女は大歓声と花火の音の中、ライブが大団円を迎えたことへの感謝の言葉をオフマイクのまま伝え、“奇跡だらけ”のコニファーフォレスト公演を締めくくった。
なおこの日のライブの模様は10月にMUSIC ON! TVで放送される予定になっている。