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【大相撲】

豪栄道、白鵬も倒した

2014年7月24日 紙面から

白鵬を浴びせ倒しで破る豪栄道(上)(佐藤雄太朗撮影)

写真

◇名古屋場所<11日目>

(23日・愛知県体育館)

 横綱白鵬(29)=宮城野=は関脇豪栄道(28)=境川=に浴びせ倒しで敗れ、初黒星を喫した。豪栄道は2日連続の横綱撃破で9勝2敗とした。大関琴奨菊は横綱日馬富士を一方的に寄り切って1敗を守った。白鵬と琴奨菊が1敗で並び、鶴竜、豪栄道に平幕の高安を加えた3人が2敗で追う。十両は逸ノ城が1敗で単独トップ。

 最強横綱を圧倒した。取組前に「豪栄道コール」が響き渡り、何かが起こりそうな予感を漂わせる。「何をされてもいいから思い切りいった」。豪栄道は相四つの白鵬に対して立ち合いで右を差す。左の上手も取って横綱の投げを左足だけで踏ん張ると、体を預けながら浴びせ倒した。

 割れんばかりの大声援に包まれた館内に無数の座布団が乱れ飛んだ。「残すのに必死でした。もう必死でしたよ。最後に相手が落ちるのを見るまで確証がなかった。座布団が飛ぶ光景は何回見てもいいっすね」。普段は勝っても表情を変えない男が、珍しく笑みを浮かべた。

 夏場所に続いて白鵬の連勝街道に待ったをかけた。いなして背中を向かせ、押し出した夏場所と比べ、この日はがっぷり右四つに組んでの勝利。「たまたまじゃないですか?」と謙遜したが、井筒審判長(元関脇逆鉾)は「あの形で横綱が負けるとは思わなかった。それだけ豪栄道に圧力があった」と絶賛した。

 朝稽古後に少しだけ自信をのぞかせていた。対戦前まで3勝23敗と合口が悪かったが、昨年秋場所、ことし夏場所で2勝を挙げている。「力が近づいているか?」と聞かれると、「多少は。結果に結び付いているから」。実力差を縮めていることは間違いない。

 実は「肉食系男子」でもある。恋愛ではなく、文字通り焼き肉が大好き。週4日は食べに行くといい、「まずはタン塩から。その後はハラミを頼んでホルモン」と順番にもこだわる。付け人や後輩の肉の焼き方がいいかげんだと注意することもあるという。

 関脇在位は14場所連続となり、昭和以降単独トップ。そんな万年関脇脱却の契機になりそうだ。連日の横綱撃破でまず優勝争いに踏みとどまった。残り全勝で13勝2敗にすれば大関昇進条件の「三役で3場所合計33勝」を満たす。

 12日目に立ちはだかるのは日馬富士。関脇以下が3日連続で横綱を倒せば1909年夏場所以降、史上初となる。大関昇進と初の賜杯に向けて一気に突き進む。 (永井響太)

 

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