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　上杉：怖いのはこの騒動の陰に隠れて安倍政権が、国家安全保障会議の創設や機密保全法、敵地攻撃を可能にする自衛隊法の改正、さらにネット言論の制限などタカ派的施策を進めていること。

　藤本：すでに成立したマイナンバー制度も含め、いずれも日本の将来に禍根を残すことになるかもしれない重大案件ですが、国民の関心はいまひとつ。つまり橋下氏は安倍首相の援護射撃をしたともいえる。菅義偉官房長官（６４）は周辺に「オレが橋下氏とつるんで仕掛けた」と自慢しているそうだけど。

　上杉：さすがにそこまではないとは思いますが、結果的に参院選が自民党の独り勝ちとなれば、橋下氏がその最大の功労者になりますね。地方首長は首相との兼職はできませんが、閣僚にはなれますから、次の内閣改造で閣僚に起用される可能性もある（笑い）。

　藤本：大阪市議会が橋下氏の問責決議案でスッタモンダした揚げ句、公明党が反対に回って否決されてしまいました。関西の公明党は池田大作名誉会長（８５）の教えに背き、選挙目当てで極右政党と手を握った。腐りきっていますね。

　上杉：橋下騒動で多くの女性を敵に回してしまいましたからね。きっと維新も公明も参院選でしっぺ返しがありますよ。

　藤本：ダメ民主党には期待できないけど、だからといって安倍自民党が参院選で大勝ちすれば、いよいよ「危険な国粋主義」の本性をむき出しにしてくるはず。

　上杉：それこそ我々も橋下騒動に振り回されている場合じゃないですよね。

☆ふじもと・じゅんいち＝１９５８年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚　もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。

☆うえすぎ・たかし＝１９６８年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、ミドルメディア「ＮＯ　ＢＯＲＤＥＲ」代表。近著に森達也氏との共著「誰がこの国を壊すのか」など多数。

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