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　上杉：解禁されたネット選挙の影響はどう見ていますか。

　藤本：既になりすましのアカウントがどんどん出てきていますが、規制は難しい。候補者にとっても制約が多くて使い勝手はよくない。

　上杉：ＳＮＳで主流になるツイッターやフェイスブックは海外法人で、日本の法が適用しにくく、ネガティブキャンペーンを張られたら選挙期間中に逮捕するのも難しい。ネガキャンが原因で落選する候補も出てきますよ。日本のネットは匿名が横行していて、１日あれば、タッチアンドゴーで一気に拡散してしまいますからね。

　藤本：エジプトの軍のクーデターを見てもネットメディアは秩序を壊すことは得意だが、維持することは苦手。安倍首相はネットをうまく使いこなしているつもりかもしれないけど、近い将来、きっとそのツケを払わされる時が来ると思うよ。

☆ふじもと・じゅんいち＝１９５８年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚　もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。

☆うえすぎ・たかし＝１９６８年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、ミドルメディア「ＮＯ　ＢＯＲＤＥＲ」代表。近著に森達也氏との共著「誰がこの国を壊すのか」など多数。

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