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　藤本：今後はＮＨＫの欧州総局長を務めた大貫康雄新代表（６５）の下で自由報道協会は続いていくワケで、ぜひ火だるまになっている橋下氏を会見に呼んでもらいたいね。ただ、彼は形勢不利となるや論点をすり替えて逃げるのが得意だから、発言の一つひとつにこちらがまじめに反応してもエネルギーの無駄遣い。つまるところ、問われているのは人間性の問題だからね。

　上杉：来月予定していた橋下氏の訪米で、現地での行事や面談の調整がつかなくなっているそうだけど、当たり前ですよ。「慰安婦発言」は日本よりも海外に与えたインパクトの方が大きい。橋下氏がいくら釈明や説明を尽くしても取り返しはつきませんよ。

　藤本：来日した韓国人元慰安婦との面会もドタキャンされたし、６月のサミット（北アイルランド）は「戦場における女性の人権」がテーマになるらしいけど、日本の男がみんな橋下氏みたいな考えを持っていると思われたくないよね。

　上杉：橋下氏の騒動でラッキーだったのはみんなの党ですね。選挙協力解消で、なんだかえらくまともな党に見えてきた（笑い）。維新から女性票もこぞって流れますよ。それに猪瀬直樹都知事（６６）のイスラム蔑視発言も橋下騒動にかき消されて命拾いしましたね。

　藤本：安倍首相がまともな政治家に見えてしまいますね。だけど、ゆがんだ歴史観や他民族への偏見を“信念”と勘違いしているところは共通している。息子の通っている学校では彼らの一連の暴言、暴論を“恥舌（ハジシタ）”と呼んでいるそうだよ（笑い）。

☆ふじもと・じゅんいち＝１９５８年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚　もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。

☆うえすぎ・たかし＝１９６８年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、ミドルメディア「ＮＯ　ＢＯＲＤＥＲ」代表。近著に森達也氏との共著「誰がこの国を壊すのか」など多数。

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