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　藤本：いずれにしても五輪招致レースにはマイナスでしかない。庁内では実情を知らずに独断専行で事を進める猪瀬氏に相当な不満がたまっている。石原前都知事の某側近は９月に五輪招致が失敗した時に猪瀬おろしが起きると言っていたね。

　上杉：五輪招致失敗した時はもう猪瀬氏はもたないですよ。招致失敗の責任は各所にあるが、今回の件でこれ幸いにと猪瀬氏がスケープゴートにされる。

　藤本：安倍首相がトルコを訪問するタイミングで騒動になったのは、ＮＹタイムズに狙い撃ちされたのかな（笑い）。そのトルコは猪瀬発言を不問に付す大人の対応を見せ、原子力発電所の建設受注で日本と締結した。ＵＡＥも含め、安倍首相の原発トップセールスは、国内での原発再稼働とリンクする話で、海外では日本の原発技術は事故後も高評価されていることをアピールし、再び原発安全神話をつくる狙いがある。

　上杉：日本の原発技術力は確かに世界一かもしれませんが、運営力は世界最低レベルということですからね。

　藤本：ロシア訪問では、北方領土返還の地ならしもした。もう一つは今年１月に私が指摘しておきましたが、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんとその娘や孫を一時帰国させるサプライズの可能性がある。参院選前の外交得点を稼ぐパフォーマンスで要注目です。

☆ふじもと・じゅんいち＝１９５８年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚　もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。

☆うえすぎ・たかし＝１９６８年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、公益社団法人自由報道協会理事長。ミドルメディア「ＮＯ　ＢＯＲＤＥＲ」代表。近著に森達也氏との共著「誰がこの国を壊すのか」など多数。

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