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　藤本：今週はもう一つ、陸山会事件の高裁判決で小沢一郎氏（７０）の秘書たちに有罪判決が出ました。現職議員の石川氏は即日、上告しましたね。判決を受け入れていれば、執行猶予３年の満了と同時に公民権が回復するから自民党政権が任期満了なら次の選挙に出馬できる可能性もあった。

　上杉：政治家として、一刻も早い再起を期すなら上告断念も選択肢にあったでしょうが、同じく裁判を闘っている秘書の大久保隆規氏（５１）と池田光智氏（３５）の２人を置き去りにして、１人だけ「降ります」というワケにはいかなかったのでしょう。

　藤本：議員職にしがみついていた方が当分食べるには困らないって、ソロバンはじいたのかも（笑い）。しかし石川氏は、国会議員になって、ずーっと刑事被告人だったような気が…。本来、この裁判は彼の問題じゃなく、親分の小沢氏と検察の戦いだったはずが、終わってみれば民主党政権は瓦解してしまい、まったくもって国民には迷惑な話だった。少しは反省してもらいたいね。

　上杉：まあ、石川氏も悩ましい立場でいろんなところからの声が届く。所属する新党大地の鈴木宗男代表（６５）、小沢氏の事務所、そして事務所と小沢氏が言うことはまた違ってくるから三つどもえみたいになっている。

　藤本：宗男氏は石川氏が失職すると長女の貴子氏（２６）が繰り上げ当選となるけど、だからといって自分が最高裁まで戦っておきながら、面と向かってハッキリとは「裁判を諦めろ」ともなかなか言いにくいしね（笑い）。

　上杉：貴子氏は本当にしっかりしていて、お父さん似（笑い）。今は準備をして、いろいろと学びたいと言っていたが、繰り上げ当選となる時期が延びただけで、あせる必要はありませんよ。

　藤本：石川氏は潔く辞職して、宗男氏の私設秘書に雇ってもらえばいいのに。その方が似合っているし、好きなだけ裁判所に通える（笑い）。

　上杉：確かに藤本さんに税金ドロボウなんて批判されなくて済みますね。

☆ふじもと・じゅんいち＝１９５８年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚　もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。

☆うえすぎ・たかし＝１９６８年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、公益法人自由報道協会理事長。ミドルメディア「ＮＯ　ＢＯＲＤＥＲ」代表。近著に森達也氏との共著「誰がこの国を壊すのか」など多数。

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