【藤本順一、上杉隆の言いたい放談】2012年11月10日掲載紙面から
田中真紀子文科相(68)が3大学の新設をいったん不認可にし、騒動になるや一転、覆す“真紀子劇場”を10年ぶりに繰り広げた。一方、野田佳彦首相(55)が「近いうちに」としていた年内解散についに踏み切るとの観測が一斉に伝えられた。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏、元ジャーナリストで公益社団法人自由報道協会理事長の上杉隆氏がドタバタ騒動をブッタ斬った。
藤本:新設大学の許認可をめぐる一連の騒動で、野党は真紀子氏を問責にするつもりです。そうなれば本欄予想通り、いよいよ夫の直紀前防衛相(72)との憲政史上初の問責夫婦が誕生することになりますよ(笑い)。
上杉:12年前、私が週刊誌デビューしたのは「田中真紀子を大臣にしてはいけない」という週刊文春の長い記事でした(笑い)。外務大臣になる前でしたから結局、同じことの繰り返しです。
藤本:だから真紀子氏は功を焦ったのでしょう。何の考えもなしに新設大学の許認可見直し問題に食い付いてしまった。
上杉:小泉改革の規制緩和で少子化にもかかわらず大学が増え、文部行政は破綻しています。許認可は文科省の利権でもありますし、真紀子氏がくぎを刺す意味で分かっていて行動を起こしているのなら良かったが、単に役人に知恵を付けられただけですからね。
藤本:形勢不利とみるや、文部官僚の壁は厚いとか何とか言って責任転嫁してしまった。まるで子供の論理です。
上杉:もう自己正当化だけです。ただマスコミが今回の問題をすべて真紀子氏の責任に帰している論調はちょっと違う。許認可の問題は的を射ているが、それと真紀子氏の暴走は別問題で論じるべきです。
藤本:任命責任を問われるはずの野田首相は内心では喜んでいるかもよ。この問題で国会がもめれば、解散を先送りできるからね。