【藤本順一、上杉隆の言いたい放談】2012年10月20日掲載紙面から
メディア報道で“3大騒動”が起きている——。自称ハーバード大学客員講師の森口尚史氏(48)による「iPS細胞を使った世界初の心筋移植」という読売新聞の“大スクープ”に端を発した誤報問題に加え、大阪市の橋下徹市長(43)の出自をめぐる中傷記事で謝罪、連載中止を決めた「週刊朝日」と朝日新聞グループの不可解な対応。おまけに、本対談の元ジャーナリスト上杉隆氏が、ネット上で“2大ウソつき”に祭り上げられるという騒動。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏と上杉氏が鋭く迫った。
藤本:森口氏のウソ発言をめぐって、蜂の巣をつついたような大騒ぎですね。
上杉:メディアは森口氏を一斉に叩いているが、スクープと報じた読売新聞が単純に裏取り作業を怠っただけの大誤報ですよね。さらにひどいのは読売の報道に横並びで通信社やテレビ局が報じて、誤報が広まった。自分たちの怠慢と誤報を棚に上げ、森口氏だけを非難しているのは単なる滑稽です。
藤本:要はだまされた記者やメディアが腹いせに怒っているだけなんだよね(笑い)。医師免許を持っていないことやハーバード大に在籍するかしないかくらいは取材していればすぐに分かったことで、日本がいかに肩書や権威に弱いかを物語っている。ウソつきといえば、ネット上では上杉さんも大変な目に遭っているとか。
上杉:なぜか私が森口氏と一緒に並んで、「ウソつき」と言われている。発端はニュースサイトのBLOGOSとブログサイトのアゴラが「読売の記事を盗用した上杉隆」と報じたことです。
藤本:記事の内容は3・11の原発事故で各国政府の対応をまとめた内容が、読売新聞で掲載されたものと上杉さんのメルマガで配信されたものが同一であることから、上杉さんが盗用したと断言しているものですね。ただ、上杉さんは読売で掲載される4日前からリストを基にラジオで話をして、政治家にも取材をかけていますよね。