【名古屋場所】琴奨菊、日馬を一蹴！白鵬との１敗対決に闘志

　◆大相撲名古屋場所１１日目　○琴奨菊（寄り切り）日馬富士●（２３日・愛知県体育館）

　東関脇・豪栄道が、大きな殊勲星を挙げた。白鵬に浴びせ倒しで完勝し、先場所に続く連勝。１２日目は横綱・日馬富士との一番が待つ。関脇以下の力士が３日連続で横綱を撃破となれば、１９０９年６月場所の優勝制度制定以降では初となる。快挙を目指すとともに、逆転優勝へ向けて必勝を期す。全勝がなくなり１敗で白鵬と大関・琴奨菊がトップ。２敗で横綱・鶴竜、豪栄道、平幕の高安が追う。

　琴奨菊が、ついにトップに並んだ。得意の左四つになると、右で抱えて日馬富士を一気に寄り切り。館内に座布団が舞う。「夢見心地というか、遠くから見ている自分がいた。自分を信じていったのが良かった」と笑みを浮かべた。

　これで５場所ぶりに白星を２ケタに乗せた。１１日目以降の終盤に優勝争いでトップに立つのは、１１年秋場所以来だ。自身の取組２番前で１差で追う白鵬が敗れた。「何か変な感じだった。電気が走った。気合が入った感じ」。緊張どころか勝負に対するスイッチを入れ、横綱を圧倒した。

　北の湖理事長は「前に出ている。今場所は相撲がいい」と評価した。１２日目は白鵬との１敗同士の直接対決。０６年初の大関・栃東（現玉ノ井親方）以来の日本人力士Ｖの期待も膨らむ。琴奨菊は「自分は胸を借りるだけ。しっかり圧力をかけて」と静かに闘志を燃やした。（三須　慶太）