【藤本順一、上杉隆の言いたい放談】2012年10月6日掲載紙面から
代表選で再選された野田佳彦首相(55)は、1年で3度目となる異例の内閣改造を断行した。目玉は、10年ぶりの閣僚復帰となった田中真紀子文科相(68)だ。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏、元ジャーナリストで自由報道協会理事長の上杉隆氏が、再び表舞台に出てきた真紀子氏を間髪を入れずに一刀両断――。
藤本:まずは上杉さん、自由報道協会の代表から理事長への就任おめでとうございます。
上杉:おかげさまで自由報道協会が1日から公益法人に移行しました。設立から約1年半、日本の言論空間の健全化を目指すためにオープンな記者会見の開催が実を結びました。
藤本:まあ理事長の響きは重いが、基金が集まってこその権力ですからね(笑い)。これからは寄付金集めが大変ですよ。そんな上杉さんの新たな門出を祝うかのように仇敵の真紀子氏が文科相に就任しましたね(笑い)。
上杉:私が真紀子氏を取材し、「田中真紀子の正体」「田中真紀子の恩讐」を著したのは10年前です。自分が年をとったのを感じるのと同時に、日本の政治状況が全く変わっていないことにガックリきましたよ。外相時代、指輪をなくしたと秘書官を怒鳴り散らし、女性職員をイビリまくっていましたからね。
藤本:なんだか悲しいものがあるよね。真紀子氏は「改心した。役所と対立するつもりはない」と言って文科省の役人に失笑を買っていましたが、混乱の原因が本人の人間性だということを分かっていない(笑い)。
上杉:10年前は真紀子ブームで世論の圧倒的な支持を得ていたが、今回は彼女の入閣に国民もまったく期待していない。当時、私が真紀子氏を週刊誌で批判したら、どれだけバッシングされたことか。世論の受け止めが変わったことが唯一の救いです。
藤本:それなのに野田首相がどうして真紀子氏を起用したのか理解に苦しむところです。さっそく原発政策で前原誠司国家戦略相(50)にかみつき、野党は閣内不一致を徹底追及する構えです。夫の直紀前防衛相(72)の後を追い、「問責夫婦」となって歴史に名を残したいのかな(笑い)。