【藤本順一、上杉隆の言いたい放談】2012年9月1日掲載紙面から
民主党、公明党との3党合意で消費税増税法案を成立させた自民党が。あろうことか、消費税増税反対を理由とした少数野党7党提出の野田佳彦首相(55)問責決議案に同調するという自己矛盾で、同決議案が可決された。国会は空転に陥り、民主、自民両党は党首選モードに突入した。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏、元ジャーナリストで自由報道協会代表の上杉隆氏が、自民の迷走劇と混戦必至の党首選の行方を占った。
藤本:野田首相に対する問責決議案が可決されました。自民党はどう取り繕っても論理破綻は拭いきれない。しかも、公明党が棄権に回ったことで自民、公明両党に亀裂が入ってしまった。なんだか上杉さん、笑みがこぼれてますよ。
上杉:えっ、そんなふうに見えますか? 皆さん、もうお忘れかもしれないですけど、結果的には消費税増税法案採決前に問責決議を出した生活の小沢一郎代表(70)の狙い通りになったということで、本欄で指摘していたことですね。
藤本:そうだよね。ボクが野田首相だったら3党合意を否定した自民党に無責任政党のレッテルを貼り、間髪を入れずに解散総選挙に打って出るけどね。橋下徹市長率いる維新の会も選挙の準備はまだできていないから政権転落は確実としても、負け数は減らせる。
上杉:まあ現実的にはこのまま解散も総辞職もできずに国会は9月8日の会期末を待たずに事実上閉幕したようなもの。民主も自民も心ここにあらず、です。
藤本:いよいよ党首選ですか。特に自民党の総裁選は次期首相を選ぶことになるから、みんな目の色が違うね。
上杉:驚いたのは安倍晋三元首相(57)が出馬の意欲を示したこと。しかも第1報はリークではなく、自分から新聞に出てしゃべったのが驚きです。
藤本:安倍氏は07年の参院選で敗北した時の首相です。しかも「おなかが痛い」と言って政権を放り出した。その後の衆参ねじれ国会が自民党の政権転落を早めたことは周知の事実で、それが再登板というのはちょっとばかり、厚かましすぎるんじゃないかな。しかも、これから選挙で戦うことになる維新との連携を打ち出す軽薄さは「お見事」としか言いようがない(笑い)。
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