【藤本順一・上杉隆の言いたい放談 特別版(2)】2012年7月14日発行紙面から
藤本:鈴木宗男さんは「オリーブの木」構想(地域政党も含めた幅広い政党で連合体を形成する構想。1996年のイタリア総選挙で統一首相候補を掲げて勝利した中道左派連合の名前からきている)で政界再編を目指していますが、石原慎太郎都知事(79)と小沢氏が手を結ぶ可能性はあるんですか? 12年前のオフ懇で小沢氏は「オレと石原は朝日と産経ぐらい違う。石原を右翼といったら右翼に申し訳ない。あれは権力欲だけ」と痛烈にこき下ろしていましたよ。
宗男:石原さんも「小沢さんとはダメ」と言っている以上、2人が組むことはないでしょう。
藤本:では、宗男さんを裏切った小泉元首相の路線を継ぐみんなの党とは組めるんですか?
宗男:みんなの党も小沢さんも官僚政治打破では共通しているのでは。首相は小沢さんでも渡辺喜美さん(60)でもいいと思っていますよ。
上杉:橋下市長が維新の会で国政進出の準備を進めていますが、橋下首相は誕生しますか?
宗男:それはないと思います。首相は国民の代表者たる国会議員が選ぶので、バランス感覚が働く。橋下さんも経験を積めばいいでしょうが、行政改革担当大臣などで思い切った地方分権などをやらせれば面白い。
藤本:民主党に残った鳩山氏はどうなりますか。選挙区は北海道で、自民党は元スピードスケート選手の堀井学氏(40)を刺客に立てました。
上杉:私がレギュラー出演している北海道のテレビ番組「U型テレビ」(UHB)のアンケートでは、鳩山氏を評価するが110人、しないが2000人近くいました。
宗男:鳩山さんの9区には新党大地から松山千春さん(56)なら相手に不足はないと思う。千春さんも鳩山さんの所から出たいと言っている。
上杉:それは驚きです。以前は自ら選挙には出ないと言っていましたから。
藤本:松山千春の出馬に関連して言えば、鹿児島で長渕剛(55)が出るという噂がある。すると福岡から井上陽水(63)、大分から南こうせつ(63)、長崎からさだまさし(60)、広島から吉田拓郎(66)が続けば「フォークジャンボリー」じゃないかと(笑い)。若い人には分からないか。
宗男:千春さんとさださんと拓郎さんとはどうでしょうか(笑い)。ただ藤本さんの話が現実化したら革命が起きますよ。フォークは世論を背景に歌をつくっていますから、極端な話、フォーク新党でもいい。
上杉:フォーク新党なら、ぜひ野茂英雄氏(43)も入れてください(笑い)。あれスベっちゃったみたいですね。
(次週、後編に続く)
☆ふじもと・じゅんいち=1958年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚 もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。
☆うえすぎ・たかし=1968年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、社団法人自由報道協会代表。ミドルメディア「NO BORDER」代表。著書に「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」など多数。
☆すずき・むねお=1948年、北海道生まれ。拓殖大卒。中川一郎氏の秘書を務め、83年に衆院初当選。北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官、自民党総務局長を歴任も国策捜査といわれたムネオバッシングで逮捕。昨年、仮釈放後に新党大地・真民主を結党し、代表に就任。「汚名 国家に人生を奪われた男の告白」「政治の修羅場」など著書多数。