【藤本順一・上杉隆の言いたい放談 特別版(4)】2012年7月21日発行紙面から
藤本順一:(菅直人前首相は)そもそも震災の処理を間違ったのだから、その時点で政権を降りるべきだったんです。財源の話でいけば、宗男さんだったらどこから捻出するのか?
鈴木宗男(新党大地・真民主代表):法律を変え、たばこ会社、郵政会社、NTT、地下鉄、高速道路の株を資本金分だけ担保にして、売れば50兆円ぐらいは作れる。それを10兆円ずつ使えば、5年間は増税しなくていい。
上杉隆:隠れた埋蔵金ですね。
宗男:無駄な土地も建物もまだまだある。あとは国家公務員の給与をもう1割カットすれば、1兆円作れる。国家公務員で合わせて2割のカットができれば、人数が多く、給与の高い地方公務員にも及び、地方の財源だけでも何十兆円と浮きます。
藤本:今すぐやらないと間に合わないですね。
宗男:地方公務員には自治労が一番気を使っている。小沢さんならやり切れるが、日教組の代表である輿石東幹事長(76)では、自治労を敵に回せないでしょう。
藤本:東電の国有化はどう見ていますか?
宗男:ここは国がすべて補償から何までやるべき。東電に責任を押し付けた菅政権は間違っていて、原発は国が進めた政策ですから東電には瑕疵がないんですよ。
上杉:ただ東電の情報隠ぺいはありましたよ。原発事故を起こし、10数万人が低線量とはいえ、被ばくしているのに誰一人逮捕者が出ない。警察や検察も本店の証拠保全すらしていないし、政府内も誰も責任を取っていない。これでは福島の人はやりきれない。
宗男:国会の事故調査委員会で政府の対応がダメだったと出た。だから菅さんを証人喚問するべきと言っているんです。
藤本:偽証罪で刑事告発できますね。とにかく政治家や経営者の責任をあいまいにしたまま、復興増税やら電気料金の値上げで負担を国民に押しつけるのは納得いかないよ。
☆すずき・むねお=1948年北海道生まれ。拓殖大卒。中川一郎氏の秘書を務め、83年に衆院初当選。北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官、自民党総務局長を歴任も国策捜査といわれたムネオバッシングで逮捕。昨年、仮釈放後に新党大地・真民主を結党し、代表に就任。
☆うえすぎ・たかし=1968年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、社団法人自由報道協会代表。ミドルメディア「NO BORDER」代表。著書に「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」など多数。