【藤本順一、上杉隆の言いたい放談】2012年8月18日掲載紙面から

　消費税増税法案を成立させるための「近いうち」発言で、完全にレームダックになっている野田政権。韓国の李明博大統領（７０）が竹島上陸を強行すれば、尖閣諸島には香港の活動家が８年ぶりとなる上陸を果たすなどカモにされ、外交面でも瀬戸際に立たされた。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏、元ジャーナリストで自由報道協会代表の上杉隆氏が、野田佳彦首相（５５）から大阪府の橋下徹市長（４３）、自民党の小泉進次郎衆院議員（３１）に群がるコバンザメまで、その化けの皮を剥がした。

　藤本：１５日は６７回目の終戦記念日でした。上杉さんは今年も靖国神社に参拝されたそうですね。韓国の李大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求発言に続き、本欄が指摘していた通り、中国人の尖閣上陸もありましたから、例年以上に靖国は愛国的にぎわいを見せたんじゃないですか。

　上杉：残念ながら、閣僚の参拝は松原仁国家公安委員長（５６）と羽田雄一郎国交相（４５）の２人だけでした。現職閣僚の参拝は民主党政権で初めてですが、２人とも「私的参拝だ」と言い訳していましたから、もろ手を挙げての評価はできません。それ以上に情けないのは野田首相です。２００５年に、当時の小泉純一郎首相（７０）に「Ａ級戦犯は戦争犯罪人ではない」との質問主意書を出し、靖国参拝を促していたのに、自身が首相になるや自粛に転じた。参拝できないならできないと最初から言えばいいのに、結局ご都合主義と野党時代の無責任な発言だったというのがよく分かる。

　藤本：そんなことでは国民も盛り上がりませんね。かといって政治家がどんなに勇ましいことを言っても、即効性のある解決策が見つかるわけじゃない。それに３・１１以降、国民の怒りは、もっぱら政府・民主党に向いていて、他国の領土侵犯の方にまで気が回らないのかもよ（笑い）。

　上杉：原発事故対応の失敗で、国民の命を平気で危険にさらす民主党政権が、実は安全保障上、一番の脅威だったりして。死に体になった野田政権は、いつまで続けるつもりんでしょうかねぇ。永田町はとっくに選挙モードに入っているというのに、困ったものです。