【藤本順一・上杉隆の言いたい放談 特別版(1)】2012年7月14日発行紙面から
小沢一郎氏(70)が新党「国民の生活が第一」を旗揚げし、政局はいつ解散・総選挙が起きてもおかしくない流動的状態に突入した。小沢氏や大阪市の橋下徹市長、河村たかし名古屋市長ら地域政党・首長が連動する「オリーブの木」構想へ向け、キーマンとなる新党大地・真民主の鈴木宗男代表(64)を特別ゲストに迎え、特別鼎談が実現した。本紙「永田町ワイドショー」藤本順一氏、元ジャーナリストで自由報道協会代表の上杉隆氏を相手に、宗男氏は鳩山由紀夫元首相(65)に噂の大物刺客投入を宣言した。
藤本:新党大地は民主党と選挙協力を結んでいましたが、消費税増税と言っている野田佳彦首相(55)とはもう組めないですよね。
宗男:今すぐの消費税増税には明確に反対の立場です。民主党は新党大地の力を借りなければ北海道では当選できない。そのことを民主党北海道は分かっていない。
上杉:原発容認派だった小沢氏が脱原発を明確にしたのは驚きでした。
宗男:私も脱原発です。ただ風力、水力、太陽光の3つではダメです。政治の世界が良い例で風はいつ吹くか分からない(笑い)。水も大きな川は整備され、小規模なダムしか作れない。太陽光も地域の住宅はまかなえるが、産業を興すまではならない。注目しているのは天然ガスです。ロシアとのパイプを生かし、プーチン大統領(59)も支援を表明している。エネルギーをきっちりと担保することが重要です。
藤本:天然ガスという選択肢が一つ増えたのは宗男さんが長年、ロシアとの北方領土返還交渉でイニシアチブを握っていたからですよね。当時は非国民扱いされましたが、今では逆境の中で信念を貫いた宗男さんの姿勢を国民の多くが高く評価しています。権力の中枢にいて司法がケシカランと言っても誰も聞く耳は持たなかった。同様に小沢氏が今回、離党して権力の外に身を置いたことは決して敗北ではない。
上杉:小泉政権時には、田中真紀子元外相(68)との間でマスコミの叩きやすい二元論の中で完全に悪役にされましたからね。
宗男:私がヨン様ぐらい男前であったり、東大でも出ていれば変わっていたかも(笑い)。
藤本:小沢さんにも言えますが、あまり欲張らないでくださいよ(笑い)。
(※続く 宗男氏が「松山千春出馬」断言)
☆ふじもと・じゅんいち=1958年、福岡県生まれ。新聞、雑誌記者を経て独立、取材執筆集団「メディアフォーラム」代表。「建設業界・談合が崩壊する日」「永田町奇譚 もしニッポンの総理が東スポを愛読してたら…」など著書多数。本紙で「永田町ワイドショー」好評連載中。
☆うえすぎ・たかし=1968年、福岡県生まれ。テレビ局、衆院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ取材記者、フリージャーナリストを経て、社団法人自由報道協会代表。ミドルメディア「NO BORDER」代表。著書に「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」など多数。
☆すずき・むねお=1948年、北海道生まれ。拓殖大卒。中川一郎氏の秘書を務め、83年に衆院初当選。北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官、自民党総務局長を歴任も国策捜査といわれたムネオバッシングで逮捕。昨年、仮釈放後に新党大地・真民主を結党し、代表に就任。「汚名 国家に人生を奪われた男の告白」「政治の修羅場」など著書多数。