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中国のモグラ叩きハンマーと連鎖するアジア外交(高口)

2014年07月24日

■玉突きゲームのアジア外交

星海社のコラムサイト、ジセダイ総研に記事「玉突きゲームのアジア外交 日本は中国の「踏み絵外交」に屈しない」に寄稿しました。

オーストラリア首相の失言と中国の反発から南シナ海の中国石油採掘プラットフォーム撤退という流れ、あるいは中韓接近に焦る台湾と北朝鮮……といった外交の連鎖を取り上げています。

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特に台湾の動きは面白いところ。中韓FTAの年内妥結が発表された後、馬英九総統が「私は焦っている!」と赤裸々に語っています。ライバル・韓国よりも早く協定を結んで大陸の市場拡大を進めたい!と馬英九は一貫して主張してきたわけで、学生運動による議会選挙でサービス貿易協定批准が停滞したデメリットが表面化したと言えそうです。台湾財界含めての巻き返しもあるでしょうから、外交にとどまらず台湾政局にも大きく影響する可能性もあるのではないでしょうか。

またドイツの研究者が解き明かした「ダライ・ラマと首脳があった国は対中輸出が2年間8.1%減少するというダライ・ラマ効果」、私の持論である「中国強圧外交モグラ叩きハンマー」説といった小ネタも盛り込んでみましたのでよろしくお願いします。


■科学報道リテラシー

また同日公開のサイエンスライター・土屋健さんの記事「「草食恐竜」なんていない? 古生物学から見る、科学報道の不確性」も読み応えがあります。恐竜に関する報道から科学報道のリテラシーについて解説したものですが、「ソースが論文かプレスリリースかちゃんとチェックせなあかんで。ほら、プレスリリースやらとちょっと盛ってしまうんは人間の性っちゅーもんやで」などなど納得の指摘。

また理系出身の院生がメディアに就職する必要性も説いていますが、この指摘も超同意。例えば「環境問題に関する専門的知見」×「中国語と中国社会に関する知識」×「まともなライティング能力」と3つを掛け合わせれば、重宝される中国関係ライターになるのは間違いないような。そういう人が出たら面白いのになー、まずは腕試しで本サイトで書いてくれないかなーなどと思う次第であります。

土屋さんの記事が面白いので仕方がないところではありますが、このままだと高口の立場が週刊少年ジャンプの掲載順最後尾的になりそうなので、「玉突きゲームのアジア外交 日本は中国の「踏み絵外交」に屈しない」、それに前回寄稿記事「中国版「テロとの戦い」、ウイグル問題は日本にも影響を及ぼす」をなにとぞよろしくお願いいたします。

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