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IMFが世界成長予想を下方修正、先進国に低迷リスク

2014年 07月 25日 01:29 JST
 
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[ワシントン 24日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は24日、「世界経済見通し」を改定した。米国と中国の経済が軟調だったことを反映させる形で、2014年の世界経済の成長率予想を3.4%と、4月時点から0.3ポイント引き下げた。15年の予想は4.0%で据え置いた。

日本の14年の成長率予想は1.1%で4月から0.3ポイント上方修正した。米国は1.7%で1.1ポイントの下方修正。中国も7.4%と0.2ポイントの引き下げとなった。ユーロ圏は1.1%で据え置いた。

IMFは下方修正に至った要因のうち一時的なものは一部のみだと指摘。特に先進国ではインフラ投資や税制の変更など成長を加速させるような構造改革を進めない限り、経済の停滞に直面することになると警告した。IMFは2007年から09年にかけての金融危機から世界経済は完全には回復していないと強調。中東やウクライナの紛争がもたらす地政学的リスクが成長を下押しする可能性があるとした。

IMFは「金利が非常に低い水準で推移し、財政緊縮や厳しい金融情勢による経済への悪影響が和らいでいるにもかかわらず、需要の勢いに堅調さが出てこない」とし、主要先進国に政策金利を低く維持することを求めた。

米国や日本、ユーロ圏、英国は成長を下支えするために、既に金利を大きく引き下げており、経済回復が確実になるまではその状態を維持するとしている。

米国や英国の失業はエコノミストたちの予想よりも速いペースで改善しているが、賃金上昇と消費者心理は多くの先進国で危機前の水準を下回っている。途上国は金融情勢が引き締まってきたことへの対応に追われており、将来の成長予想を引き下げた。

IMFは世界経済の明るい材料として、日本やドイツ、スペイン、英国の成長加速を挙げた。しかし、こうした明るさは年前半の米国の成長の弱さでかき消された。政府の貸し出し抑制策により住宅市場が冷え込んだ中国で内需が減速したことも世界経済に影を落とした。

ロシアも世界全体の成長予想の足を引っ張った。ウクライナ紛争に伴って制裁を受けたことなどで、今年のロシア経済はぎりぎりプラスを維持できる水準でしか成長しない。   続く...

 
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