マンガで読むダンス/クラブミュージックの現代史。『マシーンズ・メロディ』
posted by Book News 編集:ナガタ / Category: 新刊情報 / Tags: マンガ,
今回は、『マシーンズ・メロディ パリが恋したハウス・ミュージック (マンガでわかるハウス・ミュージックの歴史)
』をご紹介します。
本書は、「パリが愛した~」「ハウス・ミュージックの歴史」というサブタイトルになっていますが、アメリカやイギリスでのダンスミュージック、クラブミュージックの流れも紹介されており、ひろく現代のダンスミュージックとりわけクラブミュージックと言われるジャンルの歴史を、重要人物名や名曲の数々とともに知ることのできる1冊です。いちおうマンガの部類なのですが、いわゆるマンガというよりも文字や解説が多く、教科書のようなイメージ。翻訳マンガに抵抗がある人も、比較的読みやすいのではないでしょうか。でも、歴史を体系的に読むというよりも、同時多発的でかつ時代ごとに錯綜している各国のシーンを切り取って垣間見ていくという感じの構成になっています。
本書は、「パリが愛した~」「ハウス・ミュージックの歴史」というサブタイトルになっていますが、アメリカやイギリスでのダンスミュージック、クラブミュージックの流れも紹介されており、ひろく現代のダンスミュージックとりわけクラブミュージックと言われるジャンルの歴史を、重要人物名や名曲の数々とともに知ることのできる1冊です。いちおうマンガの部類なのですが、いわゆるマンガというよりも文字や解説が多く、教科書のようなイメージ。翻訳マンガに抵抗がある人も、比較的読みやすいのではないでしょうか。でも、歴史を体系的に読むというよりも、同時多発的でかつ時代ごとに錯綜している各国のシーンを切り取って垣間見ていくという感じの構成になっています。
本書では、「ディスコ」の語源がフランス語の「ディスコティーク」から来てるという話…の前の、非合法で閉鎖的ないくつかの伝説的なホームパーティの紹介から始まります。それで、1990年代~2000年までのレイヴカルチャーまでが紹介されています。最後はほとんど虚無主義的で投げやりな感じが描かれているのですが、これが当時のクラブミュージックに関わるミュージシャンのひとつのリアリティだったのかも知れません。
各章の冒頭には、上掲の曲などテーマごとに名曲が紹介されています。ちなみに、この名曲紹介と、いわばストーリー部分のマンガパートとが後半に行くにしたがって微妙にズレ始めるので音楽マニアの人は是非楽曲のリストとストーリーのズレを楽しんでみてください。
時代ごと、地域ごとの名曲紹介も、音楽への愛を全面に押し出しながら割りと徹底的にニヒリスティックなマンガも魅力的なのですが、冒頭2章で展開されるハウス前史ともいうべきディスコ史がとても興味深いです。最近、「クラブで踊る」ということが禁止されてみたり、クラブカルチャーそのものがどこか硬直化していると感じている人たちが原点回帰的に「ホームパーティ」などイベントの多様化に着目しているという話を聞きますが、シーンの黎明期に非合法だったり非公開だったりした状況をおさらいしてみるのも参考になるかも知れません。個人的には1970年代後半にエミール・ゾラがオペラ劇場を改装してパリで一番ヤバいクラブにしていたという話がグッときました。