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金融市場異論百出
【第143回】 2014年7月24日
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加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]

「デフレ=大恐慌」は例外
BIS年次報告書の警告

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 「良いデフレ」「無害なデフレ」のときにインフレ目標を達成しようとして金融緩和策を行うと、危険なバブルを発生させる……。

スイス・バーゼルのBIS(国際決済銀行)本部。今年の年次報告書でも持論を展開した
Photo:REUTERS/アフロ

 BIS(国際決済銀行)は6月下旬に発表した第84期年次報告書で、従来の持論をあらためて展開した。「デフレという言葉に、異様に感情的になる傾向がある。それは即、大恐慌の亡霊を想起させる。だが、大恐慌のデフレは標準ではなく、例外だった」。

 歴史的には、物価が下落しながらも生産が拡大していった時期が多々あった(第1次世界大戦前や戦間期など)。つまり、デフレは全てが危険なのではなく、「良いデフレ」「無害なデフレ」が存在する。また、近年の日本のデフレに見られたように、歴史的には、一般物価のデフレより資産価格の下落の方が、マクロ経済に大きな打撃を与えてきた。

 それなのに中央銀行が一般物価の「良いデフレ」「無害なデフレ」に過剰反応して緩和策を大胆に行い、バブルを膨張させると、その破裂とともに「悪いデフレ」がやって来るとBISは懸念する。

 この記述は「南欧のデフレを避けるために、ECBは量的緩和でも何でも行うべきだ」という最近の論調の危険性を強く意識していると思われる。日銀の金融緩和のやり過ぎも心配しているようだ。

 今年の年次報告書は、先進国の中央銀行が現在行っている超緩和策の長期化が次の危機を招くリスクに特に焦点を当てている。株式のハイ・バリュエーション、狭いクレジット・スプレッド、低ボラティリティ、大量の社債発行が現在世界的に起きている。

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