裁判員裁判の判決 最高裁が初めて取り消す7月24日 15時29分
大阪で1歳の娘を虐待死させた罪に問われた両親の裁判で、最高裁判所は、1審の裁判員裁判が言い渡した検察の求刑を大幅に上回る懲役15年の判決を取り消し、父親に懲役10年、母親に懲役8年を言い渡しました。
裁判員裁判の判決を最高裁が直接見直したのは初めてです。
岸本憲被告(31)と妻の美杏被告(32)は4年前、大阪・寝屋川市にあった自宅で、当時1歳の3女の頭を強くたたくなどして死なせた傷害致死の罪に問われました。
検察の懲役10年の求刑に対し、1審の裁判員裁判は大幅に上回る懲役15年を言い渡し、2審も取り消さなかったため被告側が上告していました。
24日の判決で最高裁判所第1小法廷の白木勇裁判長は「裁判員裁判といえどもほかの裁判との公平性が保持されたものでなければならず、これまでの刑の重さの大まかな傾向を共通認識としたうえで、評議を深めることが求められる。従来の傾向を変えるような場合には、具体的に説得力をもって理由が示される必要がある」という初めての判断を示しました。
そのうえで、「1審判決は従来の傾向から踏み出した重い刑なのに根拠が十分示されておらず、甚だしく不当な刑となっている」と指摘して、懲役15年を取り消し、父親に懲役10年、母親に懲役8年を言い渡しました。
裁判員裁判の判決が2審で取り消されたケースはこれまでもありましたが、最高裁が直接見直したのは今回が初めてです。
弁護士「見直しは当然」
判決について母親の岸本美杏被告の弁護士は「無罪を求めていたので主張が認められず残念だ」としたうえで、求刑を大幅に上回る判決が見直されたことに対して、「1審はあまりに感情的だったので、当然だ。裁判員裁判で市民感覚が反映されるのは想定の範囲内だが、ほかの事件との公平性から刑の重さには一定の基準が設けられており、合理的な理由もなく基準を大幅に超えた判断は破棄されるべきだ」と話していました。
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