不動産屋で紹介される物件はみなさんが提示した条件に当てはまる物件の中で最高のものではないのを知っていましたか?
実は賃貸仲介には一般の方々が知らない暗黙のルールがあって、いい物件を探すのはそんなに簡単にはいかないことが多いのです。
ここでは不動産業界の裏側を紹介しつつ、少しでもいい物件を探す秘訣を教えちゃいます。
目次
知識その1 不動産営業の王道パターン
悪い物件⇒普通の物件⇒紹介したい物件(報酬が良くてそれなりにいい部屋)
みなさんが不動産屋で物件を紹介してもらった時のことを思い出してみてください。その時不動産屋は似たような状況の物件を3つくらい選びだして内覧させてくれたのではないですか?
実はこれは不動産営業の王道パターンです。店頭にきたお客さんの希望条件に合いそうな物件を3つほど選び出すのですが、このときの3つの物件もそれぞれ少しずつランクが違います。
一番最初に内覧させてくれる部屋が3つの中では一番レベルが低く、内覧したお客さんは部屋を見てがっかりします。お客さんが「この条件だとこんな部屋しかないんだ…。」と思ったところで次の部屋です。
この部屋は最初の部屋より少しランクが上でお客さんの反応も少し回復します。
そして最後が本命物件、それまでの2つの物件に比べるとランクが2つくらい高く、それまでの物件に見慣れたお客さんの心は大きく揺れ動きます。
そこで一言「この条件ではこの部屋が一番いいですね。」
それまでに実際に2つ部屋を見たお客さんは確かにその通りだと納得して契約をしていきます。
…と、これが不動産営業の王道パターンと呼ばれるものです。
しかし、よりよい部屋を探したいのであればこの営業パターンに騙されてはいけません。確かに内覧した3つの物件の中では最後に見た物件が一番いい物件であることが多いのですが、その物件がその条件で一番いい物件かどうかはまた別の話です。
最後に見たその物件は、入居者の希望する条件で最も不動産屋に入る報酬が大きい物件であって、最もいい物件ではないかもしれないのです。
知識その2 不動産屋はとにかく自分が儲かる物件を紹介したい
不動産仲介の仕組みは比較アフィリエイトサイトと同じ
比較アフィリエイトサイトと言われてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、下の画面のようなサイトはみなさんみたことがあるとおもいます。このようなサイトが比較アフィリエイトサイトです。
比較アフィリエイトサイトの仕組み
こうした比較アフィリエイトサイトは、そのサイトで紹介した商品をホームページをみた人が購入した場合に、紹介者が報酬をもらえるという仕組みになっています。比較サイトをつくる人は報酬をもらうのが目的なので、商品の売れやすさと報酬金額を天秤にかけてどの商品を1位にするかを決めています。
本当に品質の良い商品が1位になっていれば問題ありませんが、品質がいまいちでも得られる報酬額が大きい場合にはそうした商品が1位に掲載されることになるため、本当にいい商品が紹介されているかどうかが不透明な場合が多いのが問題です。
賃貸物件仲介の仕組み
不動産屋で物件を紹介してもらったことのある人なら分かると思いますが、不動産屋で紹介された物件で契約すると不動産屋に仲介手数料を支払うことになります。入居者側から見えるのはこの仲介手数料だけですが、実は入居が決まった際にはオーナー側からも不動産屋に報酬を支払う仕組みになっています。
オーナーから不動産屋に払う報酬はオーナーが自由に決めることができるため、不動産屋としてはなるべく多くの報酬がもらえる物件を紹介したいというのが心情です。
こうした仕組みは比較サイトと同じで、いい物件かどうかよりも報酬が高い物件が優先的に勧められるという状況が生まれています。
知識その3 不動産屋ごとに扱う物件が違う(どこも同じではない)
よく不動産屋は「ネットにすべての賃貸情報を載せるルールになっているので、どこの不動産屋に行っても物件の量は同じですよ」と言いますが、これは実態とは全く異なります。
確かに空室情報はネットに掲載しなければならないルールにはなっているのですが、不動産屋はいい物件情報があれば自社で紹介して報酬を得たいと考えるのでネットに掲載しない場合や、掲載したとしても他の不動産屋から問い合わせがきたときにもう決まってしまったなどと嘘をついて情報を囲いこむ場合が多くあります。
しかも、不動産屋によって入居が決まった時に手に入る報酬額が違うので、同じ物件でもA社ではお勧め物件とされているのにB社では全然お勧めしないということがあります。
実際に、左の物件はリフォームがされたきれいな部屋で他のリフォームされていない物件と同じくらいの家賃設定だったのですが、オーナーから不動産屋に支払う報酬が少なかったのでどの不動産屋も勧めず長いこと空室となっていました。
ネットにも載っていなかったのでお客さんはこの部屋のことを知ることもできませんでした。
知識その4 良い物件を探し当てる可能性を高める方法
3つの不動産サイトを見て、3つの不動産屋を訪問する
これまで見てきたように不動産屋は自分たちの売上を大きくするために働いているのであって、お客さんにとって一番いい部屋を紹介するのが仕事ではありません。
そして、不動産屋によって扱っている物件や紹介したい物件が異なります。
ですから、その地域にある不動産屋のうち3社は訪問してください。そして小さな不動産屋は自社だけでは客付けができないので大きな不動産屋に客付け依頼を出すため、みなさんが訪問すべき3社はその地域でそれなりに大きそうな3社としてください(小さすぎ慣れければいいのでそれなりの大きさでいいです)。
さらに、不動産屋を訪問する前にはネットで物件を検索すると思いますが、この時はホームズ、SUUMO、アットホームの3つを見るようにしてください。賃貸物件を扱うサイトは多くあるのですが、この3つでほとんどの物件がカバーされています(右のグラフは賃貸サイトのランキングです。)。
どの不動産屋もSUUMO、ホームズ、アットホームという3大サイトのどれかは使用しています
知識その5 オーナーが直接掲載するサイトがアツイ
ただし、まだまだ物件量は少なめ
間に不動産屋が入ると不動産屋が勝手に自分たちが儲かることだけをしようとするので気に入らないというオーナーを中心に、自分たちでネットで募集をかけようという動きが出てきています。
そうしたオーナー直接掲載のサイトにウチコミ!(https://uchicomi.com/)があります。
こうしたサイトはこれから多くなっていくと思われますが、直接物件をアピールしようとするオーナーさんは感度の高い方が多く、リフォーム済み物件などが比較的多く掲載されています。まだまだ発展途上のサービスですが、1都3県にお住まいの方はこうしたサイトの利用も有用です。
まとめ