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「引きこもり」するオトナたち
【第207回】 2014年7月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
池上正樹 [ジャーナリスト]

認知症になった困窮高齢者の家庭訪問先で
40~50代の引きこもり当事者に数多く会った

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 地域に埋もれ、高齢化していく引きこもり当事者や家族に、社会はどう向き合えばいいのか。

 『40代からの自立―地域の中で孤立しないために』という講演会が、7月13日、東京都町田市内にある玉川学園という住宅街の施設で行われた。

 主催したのは、同市で「街角相談室」などの事業を展開している玉川学園地区社会福祉協議会。地域から見える高齢化の課題とあって、会場は満席に近く、住民の関心も高いようだ。

 中でも興味深いと思ったのは、同市にある高齢者支援センター長で、社会福祉士、精神保健福祉士でもある一番ヶ瀬伸子氏による事例報告だった。

高齢化する保護者と40代以上の当事者
生活困難で家族はバラバラに

 同センターは、市の介護福祉として、実践的に地域の中に入っていくのが主な仕事だ。その中で、引きこもり期間が長期化することで対象者は高年齢化していて、40~50代の人たちに会う機会も多いという。

 「世帯主が高齢化して、生活困難に陥るという問題に関わっていると、一緒に住んでいる家族(世帯主の息子など)の中に、引きこもり当事者が非常に多いんです」(一番ケ瀬氏)

 以前、当連載で紹介したように(第159回参照)、実際、2013年3月、町田市保健所が行った「ひきこもり実態調査」のデータを見ても、40代以上の当事者は、全体の3割以上を占めていた。

 また、ここ最近、家族の力が弱くなり、ますます社会の力が必要になってきているという話を、前回紹介した。

 高齢者支援センターは、高齢者の尊厳が守られて、最後まで自分らしく暮らし続けることができる地域を目指す「地域包括ケアシステム」の構築が本来の仕事。生活に関わる相談なら何でも受ける“ワンストップサービス”の役割を担っているほか、介護予防、認知症予防などの事業も行う。

 また、虐待されている高齢者の自宅にも入っていって、対策を立てる。

 増え続ける認知症に対し、ひとり暮らし高齢者の自宅を訪ねて、青年後見人制度の紹介も行う。

 そんな中に、認知症になった家族を支えきれなくなった40~50歳の引きこもり当事者が数多くいるという。

 しかも、保護者の高齢化が進んで、家族内でもコミュニケーションが取れずに、それぞれ孤立している。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、フリーに。雑誌やネットメディアなどで、主に「心」や「街」をテーマに執筆。1997年から日本の「ひきこもり」現象を追いかけ始める。東日本大震災後は、被災地に入り、震災と「ひきこもり」の関係を調査。著書は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)、『ふたたび、ここから~東日本大震災、石巻の人たちの50日間~』(ポプラ社)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)などがある。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。池上正樹 個人コラム『僕の細道』はこちら

 


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「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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