(2014年7月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
来月実施される大統領選挙に出馬するレジェップ・タイイップ・エルドアン首相〔AFPBB News〕
トルコはパレスチナ自治区ガザの死者を悼む3日間の服喪を宣言した。一方、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は22日、ガザの紛争の犠牲者との連帯を示すためにパレスチナのストールを肩にかけて国会に臨み、間近に思えたイスラエルとの和解への期待を打ち砕いた。
今年に入ってからというもの、エルドアン氏を含めたトルコ、イスラエル両国の有力者は、2011年に格下げされた両国外交関係の全面正常化は決まったも同然だと示唆してきた。
だが、トルコがイスラエルによるガザ攻撃を痛烈に非難したことから、イスラエル沖のガス田とトルコを結ぶガスパイプラインに関するエネルギー協力への道を開いた関係改善は議題から消え去った。
トルコとイスラエル、外交関係正常化への努力も水の泡
エルドアン氏は22日、来月の大統領選挙を前に首相として最後の国会演説になると語った演説で、同氏の政敵はイスラエルに従属し、国際的な陰謀に加担していると批判した。「彼らはトルコにイスラエルを守る見張り役を務めてほしがっている」とエルドアン氏は述べた。「だが、我々は残虐な国のために見張りを務めたりしない」
ここ数日、エルドアン政権はイスラエルを正当な国家と見なすかどうかに疑問を投げかけたように見えた。エルドアン氏はまた、イスラエルは1948年の建国以来、大虐殺を実行し、大量殺戮を試みてきたと主張した。エルドアン氏はガザに言及する中で、同氏が「十字軍兵士の新たな同盟」と呼ぶものを非難した。一方、トルコのアフメト・ダウトオール外相は、「地域から植民地主義者を排除するために日夜働く」と約束した。
エルドアン氏は先週末、外交関係の「正常化はこうした状況下では不可能に思える」と繰り返し述べながら、イスラエルの「蛮行はヒトラーのそれをも超えた」と訴えた。
エルドアン氏は、トルコは国内のユダヤ系住民を守ると付け加えたものの、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、エルドアン氏の発言の「反ユダヤ主義」的なトーンを非難した。トルコ国内でガザに関する大規模デモが起きたことを受け、イスラエル外務省は市民にトルコへの渡航を控えるよう勧告、外交プレゼンスを縮小し、外交官の家族を引き揚げた。
「エルドアンは国内の政治的ギャラリーを意識して演じている」。トルコの政治評論家のセミ・イディス氏はこう言い、大統領の座を目指すエルドアン氏の野心だけでなく、両国の貿易拡大についても強調した。