広島・原爆資料館:米軍撮影の爆心地付近の写真30点公開

毎日新聞 2014年07月23日 19時44分(最終更新 07月23日 20時52分)

 広島市の原爆資料館は23日、米国立公文書館から2009〜13年度に収集した原爆投下後の広島を撮影した写真など1761点のうち、30点を公開した。米陸軍マンハッタン工兵管区調査団などが1945年秋に撮影したものが中心で、爆心地付近の被害状況が写っている。

 資料館は74年から、米公文書館が所蔵する写真の収集を続けている。1761点のうち671点は13年12月に現地を訪れて入手したもので、残りは米国の業者に複写を委託して収集した。

 公開された写真のうち、爆心地から約400メートル(現在の広島市中区大手町付近)の写真には、散乱するがれきの中に焼け焦げた樹木が写る。また、爆心地から約840メートルの商店は、むき出しの鉄骨が爆風と熱線でゆがみ、被害の大きさを伝えている。

 これまで未収集だった被爆地域の写真や、世界初の原爆実験の様子を写したものも見つかり、資料館は「原爆の被害の全体像を伝える資料として貴重」としている。収集した写真は同館で展示するほか、インターネットで公開する予定。【宮本翔平】

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