辻外記子
2014年7月23日16時44分
異性の存在が性ホルモンの分泌を瞬時に変化させる新しい仕組みをニホンウズラの実験で明らかにした、と早稲田大の研究チームが発表した。人間がひと目ぼれをするメカニズムの解明につながる可能性があるという。米国神経科学会雑誌に論文が掲載された。
研究チームによると、雄ウズラは雌を見ると、数秒後に交尾する特徴がある。雄ウズラを透明な壁越しに雌のウズラと「お見合い」させ、変化を調べた。雌を見ると雄の脳内では、激しい感情を抱いた時に出る神経伝達物質の分泌が増え、特定の脳ホルモンを増加させ、血液中の男性ホルモンの濃度を瞬時に下げていた。恋をして他の雌にアプローチする必要がなくなるため、男性ホルモンは下がる。瞬時に変化する仕組みがひと目ぼれに関連すると見られるという。
ウズラで変化した神経伝達物質や脳ホルモンは、人間にもあり、筒井和義教授(脳科学)は「人間は慎重な人や積極的な人がいて好みもあるが、見た相手をパートナーにしようとする基本的なメカニズムは、同じではないか」と話す。(辻外記子)
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