国指定史跡「鳥取城跡」をPRするため、鳥取市教委が、戦国時代に城内で兵糧攻めに遭った庶民をイメージしたキャラクター「かつ江(渇(かつ)え)さん」を公募採用し、7月初めに市のホームページで公開したところ、「不快だ」「飢餓をちゃかしている」と批判が殺到、たった4日で公開を中止する事態となった。飢えてやつれた姿が物議をかもしたようだ。しかし、一方で「歴史をよく伝えている」との評価や、公開中止した市側の対応を疑問視する声もあり、「かつ江さん」はネット時代を象徴するかのように賛否渦巻く形で思わぬ反響を呼んでいる。
同市教委は昨年末から今年2月にかけて鳥取城跡のマスコットキャラクターを全国から公募、「かつ江さん」は応募163件から次点の優秀賞に選ばれた。
粗末な着物姿でげっそりした顔の女性がカエルを握りしめているイラストで、鳥取城の籠城戦「鳥取の渇え殺し」を題材に市内の建築業の男性(40)が考案。「歴史が分かるキャラ」として採用された。
7月7日に市のホームページで公開すると、インパクトのある姿から、たちまちアクセスが集中。市教委にも電話やメール、手紙などで100件以上の意見が寄せられた。その約7割が批判の声で、「見ただけで不快」「市のマイナスイメージになる」、さらに「同じ名前の人で『自殺したい』という人が出てきたらどうする」というものもあった。
一方、「歴史に興味を持たせる切り口がいい」「ネガティブなものもしっかり見つめ、素晴らしい」など、約3割は地域の歴史への関わりを称賛。賛否の議論が沸騰したこともあり、ホームページへのアクセスは公開3日目の9日までで6万3000件に上った。
copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.